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抽出の論理を理解することで、コーヒーを美味しく淹れられるようになる。
公開日:2023年1月29日更新日:2023月01月29日
カテゴリ:抽出のはなし。
先日来店してくださったお客様に話を伺うと、バリスタ仕込みの抽出をされていて、ドリップ式抽出でコーヒー豆の量が多めで抽出時間を短めにして抽出をされておりました。
一般流通しているコモディティランクのコーヒー豆を美味しく淹れられる抽出法で、スペシャルティランクのコーヒーの場合だと、とても勿体無いと思い、当店のスペシャルティコーヒーの抽出の論理を時間があったので伝えました。
抽出を論理的に考えた場合に、抽出時間を短くする意図は、成分をしっかりと抽出をしたくない場合に有効な抽出だと考えられます。
要は、劣る苦味だの雑味だのが存在しているコーヒー豆を使う場合に、しっかりと抽出をしてしまうとその劣る味わいも登場してしまうために、抽出時間を短くして、成分をしっかり抽出させないという考え方から登場した抽出法であるとボクは考えています。
成分をしっかりと抽出したくはないという背景にあるものは、生豆のポテンシャルから登場する雑味や嫌な風味が存在する豆の場合と、ローストにより劣るフレーバーなどローストのダメージが登場してしまっている豆の場合という2通り。
そのような劣る風味が登場している場合には、成分をしっかりと登場させないように抽出を取り組むことで、劣る風味が抑えられるために美味しくなる。
では、当店のようにスペシャルティコーヒーを専門で取り扱うお店で、ローストによるダメージを登場させないようにローストでのバランスの取れた味づくりが出来ている場合には、抽出の論理としては「成分をしっかりと登場させる」という取り組みをした方が、美味しい成分が豊に登場するため、最終的なコーヒーの液体は美味しくなるのだと考えています。
ちなみに成分をしっかりと登場させたくないという抽出を考えた場合のポイントは、「お湯の温度を低くする」「抽出時間を短くする」「油脂成分を抽出させない」という3つを挙げる。
しかし、当店の考える良質なスペシャルティコーヒーの場合では、仕入れでクリーンなコーヒー豆を仕入れ、ローストによりダメージを与えないようなローストが出来た場合には、上記で挙げた3つは、真逆のことをした方が美味しくなる。
1・お湯の温度を高くする。(理想は100°C)
2・抽出時間を長めにする。(テイスティングと同じ4分間)
3・油脂まで抽出されるフィルターを使う。(ペーパーフィルターではほぼ100%油脂は抽出されないため、当店のコーヒーの場合はオススメはしていない。)
そう。
ローストを含む良質なコーヒー豆を使用する場合には、一般的に言われているコーヒーを美味しくする抽出とは逆のアプローチをしなくてはいけないために、きちんと抽出の論理を理解しないことには、良質なスペシャルティコーヒーをより美味しく抽出することは困難になる。
なので、ほとんどの一般消費者は、せっかく良質なコーヒー豆を手に入れても、その美味しさを活かせる抽出ができないので、プロの味をご家庭で再現することができないのです。
コーヒーをご家庭でも美味しく淹れたい場合に、取り組まなければならないことは、どのようなコーヒー豆を使うのかで抽出のプロセスは変わるので、抽出の論理をしっかりと理解をすることが大切なのだと思っています。
ボクも抽出の論理はコーヒーインストラクター1級を取得するときに、しっかりと説明を受けたことでその理解が深まりました。
ちなみにローストも同じで、ローストにより劣るフレーバーが登場してしまう場合には、劣るフレーバーがローストで登場しないようなローストをすることが求められ、劣るフレーバーが無い豆の場合には、豆の個性をしっかりと登場させるローストをしなければ素材が活かされないので、ローストでも一般的なコモディティの豆とスペシャルティランクの豆では、真逆のローストを施さなければなりません。
基本的な取り組み方は、抽出でも、ローストでもすべて同じなのです。
それが、理解できていれば、ご自宅でも美味しいコーヒーが淹れられるようになることだと思います。
ほとんどの一般消費者たちは知識として覚えているだけなので、良質な豆と一般流通している豆を同じアプローチで抽出をしてしまいますが、プロは使用する豆によって抽出のアプローチを変えています。
その抽出の論理を理解することで、アプローチの取り組み方が理解できてくると思うので、抽出の論理を学んでもらいたいと思っています。