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重たいの反対は、明るい。
公開日:2023年1月20日更新日:2023月01月20日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
スペシャルティコーヒーの良質なローストの表現においては、重たいの反対は明るいだと考えている。
これは良質さに対しての対義語だと考えているので、重たいの反対が軽いであると、良質さは失われてしまうと思っているので、相互関係にはならないために、重たいの反対を明るいと考えている。
もちろん重たいは、明るいより劣るものである。
季節の移ろいでローストで重たさが登場するようになってしまい、単純に考えて設定を動かすと、世の中の摂理では重たいの反対は「軽い」なので、軽い味づくりになってしまう。
重たいの反対の良質な明るさを登場させようとすることは実はかなり難しい。
そして重たさには、「ローストの重たさ」と「酸味の重たさ」の両者の”重たい”があるので、どちらの重たさの割合が大きく影響しているのかをカッピングで読み取り、そのバランスを鑑みながら、次のローストの設定という一手を打たなければならない。
コーヒー焙煎は、季節の移ろいによりその気温差が、ローストによって豆に与える熱量がたえず変化するために、味のバランスが勝手に崩れてくるので、目指す味づくりのためにはローストによって最適な熱量を与えなくてはならない作業である。
明るさは透明感とも繋がりがあるので、良質な豆を仕入れることができれば、明るさを登場させれば透明感も登場する。
良質な豆であればあるほど、ローストに負けないので、一般の豆よりも熱量を多めに与えることができるため、粘性や甘さを明るさや透明感の邪魔をしないように登場させることができるようにもなる。
なので焙煎士が見ている仕入れの基準は、どのくらいまでローストに絶えられるポテンシャルを持っているのか?という目線も大切になる。
良いローストのためには仕入れもきちんと出来るようにならなくてはならない。
良質なコーヒー豆を提供するためには、いろんなことが出来るようにならなくてはならないので、想像以上に難しいことなのである。