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フルーツの酸味を再現することの難しさ。

公開日:2023年1月13日更新日:2023月01月14日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

フルーツの酸味を再現することの難しさ。

昨日、フルーツの酸味をローストで登場させることが難しいと述べた。
何が難しいのか?

コーヒーのテイスティングを学んでいる人は理解できているのですが、コーヒーの品質の目線は「酸味」目線で見ている。
それに対して一般消費者の目線は味覚寄りのフレーバー目線。
なので、コーヒーの品質(酸の質目線)は、学ばなければ見れるようにはならない。
要するに、仕入れの目利きは「酸味」目線なのに対して、ローストは「フレーバー」目線が介入している。
両者の目線が必要になってくるということ。

それらの学びは、フルーツで覚えることになると思いますが、口の中に入れたフルーツの酸味の質とフレーバーは分けて感じ取れるようになることが求められるということです。
ここでいう「分けて感じる」は、「酸味のフレーバー」と「酸味の質」を感じ取る目線は違うということ。
これはなかなか難易度の高い細分化で、これが見えてこないことには、良質さを理解することも表現することも出来ないと昨年気づいた。

しかし、ローストで良質さを表現しようとした場合には、昨日記載したように、ローストによって表現するさまざまな要素が合わさりフルーツの酸味と認識できるようになるのではないかと思っているので、フレーバー目線もそこには必要になってくる。

なので、良質さを表現するための焙煎士の目線を身につけるためには、生豆の評価目線である酸味の質の目線と、ローストによって変化をしているフレーバー目線の両者を融合させる目線でローストを仕上げる目線が必要になるのだと思うようになってきている。

ローストによって良質なフルーツの酸味を表現しようとした場合には、生豆の仕入れから酸味目線で見ることで良質な酸味がポテンシャルとして存在している生豆を仕入れることがまずは必須となり、そしてロースト、そして抽出では酸味の品質の目線とフレーバー目線の両方から仕上げる目線が必要になる。
その両方の目線を身につけることに時間と労力が必要とされるため、10年あってもその両者の感覚を身につけることはなかなか難しさがある。

なので、生まれつき両方の感覚を身につけて生まれてきた人は、すぐに感覚でそれらを同時に配置した味づくりができるようになるが、ボクのような凡人には元々それを理解する感覚が備わってないので、それらを論理的に考え、成り立ちを理解し、そして必要になる感覚をトレーニングで身につけるために時間を要することになる。
それをすることで、少しづつではあるのですが、目指す味づくりが可能になってくるがボクの場合では20年かかってようやく感覚で理解ができるようになってきた。

天才でない限り、成り立ちを理解しなければ、良質さの再現は難しい。
ゆえにフルーツの酸味を再現することは難しい。

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