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酸味の良質な部分を登場させるには。
公開日:2022年12月25日更新日:2022月12月27日
カテゴリ:良質さのお話。
昨日、お客さんで「昨年の初夏くらいに飲んだ酸味が忘れられなくて」と言ってそれに似たコーヒーを探し求めて来店された。
話を聞いていると「チェリーのような、ブドウのような、重厚だけれどクリーンな酸で」のようなコーヒーを探しているみたいだった。
たぶんコロンビア・サントゥアリオ・アナエロビック・シトラススウィートネスのことだと思い、もう販売終了してしまったことを伝え、そして酸味の美味しさをご自宅で楽しもうと考えているなら「粉で買ってください」と伝えた。
そのお客さんのように「しっかりと酸味を感じている人」は多くは存在しないので、当店の浅煎りコーヒーのローストでは、しっかりと酸味が表現されていることに気づいてくれていた。
そこの違いは、ローストによる表現のところ。
酸味のフレーバーと酸味は基本的に異なる。
ローストによって、しっかりと酸味を表現し、そしてその酸味を活かすためにローストによって透明感をきちんと導き出さなければならないことをこれまでの経験から学んだことで酸味を表現できるようになってきた。
酸味のフレーバーを登場させることも難しいが、酸味をきちんと登場させることはまた異なる難しさがある。
そのことをそのお客さんに説明し、そしてその酸味の良いところをご家庭でキチンと抽出で登場させるためには「粉で買った方がいい。」と説明をした。
それは、クリーンな味わいになるグラインダー(ミル)で挽いた方が、微細な酸味の表現も登場するから。
そしてクリーンな味わいになるグラインダーは高額でほとんどの消費者は持っていないので、粉で買った方がしっかりと酸味の良いところが楽しめるという論理です。
ただし多くの一般消費者は酸味をそこまで評価していないし、クリーンさという美味しさをそこまで評価していないので、その場合は鮮度を優先して豆で購入し、その都度ご自宅のミルで粉砕した方が、立ち上がる香りが芳醇に楽しめるので、美味しさに何を求めるのかで、どのような抽出をするのかを決めるとよいと思います。
ちなみに当店は、良質さを提供するお店なので、抽出で良質さを登場させるためのアドバイスをしています。
当店では、粉の販売には「窒素ガス充填」を施しておりますので、開封しましたら出来るだけ空気を抜いて密封して冷凍保管をお願いしています。