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コーヒーの味づくりは、ローストのフレーバーが感じられてこそ。
公開日:2022年12月15日更新日:2022月12月15日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
昨日、「ローストのフレーバーと素材のフレーバーの2つを感じ取る」ということを書いた。
もう少し踏み込んで解説をすると、これは、焙煎士目線であったりバリスタ目線での味づくりを意味している。
そしてそれは、消費者目線の見え方でもある。
しかし、仕入れ目線からすると、この目線では良質な仕入れは大概失敗を経験することになる。
仕入れ目線では、ローストのフレーバーは関係が無いので、そこは評価に入れずに、素材のみを見なければいけないから。
ここが仕入れの実に難しいところなのです。
なので、プロとしましては仕入れがとても大事なので、仕入れ目線の良質さの見え方を学ぶことが必要とされるわけです。
そして焙煎士やバリスタは、ある程度仕入れ目線での良質さが見えてくると理解できてくることが、ローストのフレーバーと素材のフレーバーが合わさってコーヒーのフレーバーが成り立っているということ。
すると、味づくりの要素としてローストのフレーバーのコントロールの仕方が見えてくるということ。
そうした場合に、基本コーヒーの成り立ちのすべてである、仕入れ、ロースト、抽出での味づくりの成り立ちが理解できれば、コーヒーの味づくりは意のままにコントロールすることができるようになるのだと考えることができる。
しかし、”そこ”の不安定さにコーヒーの味づくりの難しさがあり、そこには”季節の移ろいによる人の味覚の変化”を含めた味づくりのバランスが求められるため、コーヒーの味づくりは食料品の中でも特級レベルで難しさがある。
だからこそ面白いのですけど。
そして、昨日から真冬を感じさせられる寒波が入りとても寒くなった。
急にここまで寒くなると、人の味覚も変わるし、そしてローストによる熱量の入れ方も変えなければならなくなるので、全国の焙煎士は皆頭を悩ましていることだろう。
当然、ボクも前日ローストしたコーヒーをカッピングしながら、明日のローストプランを考えなければならない。
目指す味づくりには、たった1つの設定のプランしかないので、その設定を見つけることは何年経っても針の穴に糸を通すごとく難しく、そこは経験で針の穴と手に持っている糸の距離を縮めることができるようになるが、経験が少ないと針の穴と糸との距離は数メートルも離れていることになるので、まず針の穴に糸は通らない。
その距離を縮めることこそが、焙煎の成り立ちを理解することであり、ローストのフレーバーを感じ取れる感覚であったりするものだと思っている。
なので、良質なモノを作り出そうとすることは、逃げないで諦めずに考え続けることしか方法は無いように思ってもいる。