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コーヒー焙煎の味づくりのために。
公開日:2021年6月3日更新日:2021月06月03日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
コーヒーの味づくりも実は絵画などと同じで、背景(ベース)から重なり合いながらそれぞれのフレーバーやら酸味やら甘さがレイヤーとなって表現されています。
ですので、背景にあるベースがしっかりとした下地を描いてしまっていると、その時点でもうしっかりとしたベースの味わいがベースに登場してしまう訳です。
なので、ベースをしっかりと描いてしまったら、もう淡い絵は描けないということです。
特に、当店の焙煎機のように蓄熱性の低い焙煎機は、熱源である熱量がコーヒー豆に多く伝わる性質があるので、ベースの下地がしっかりとフレーバーとして登場しやすい焙煎機です。
そういう焙煎機で酸味のフルーツ感を明るく登場させるためには、焙煎での味づくりの仕組みを理解していないことには、そういうコーヒーには仕上がりません。
ですので、そういう蓄熱性の低い焙煎機は難しいので、蓄熱性が高い焙煎機を使いたがる傾向にあります。そうすることで、ベースの下地に透明感や明るさが登場しやすいからです。
ですが、そもそも焙煎のロジックは同じですので、蓄熱性が低かろうが、高かろうが、本来コーヒー豆に与える熱量のコントロールで、フレーバーの景色を描いているので、焙煎のロジックを理解すれば、どのような焙煎機を使ったとしても、思い描くフレーバーの景色を構築することができるはずなのです。
そして、それをコントロールしたいと考えた場合に、ロジックを理解していることと、感覚でそれを感じられることは、まったく別物なのです。
要は、それをコントロールしたいと思ったら、2つのことを同時に学んでいかなければならないということ。
ロジックとしての知識と、感覚でそれを感じることの2つです。
そして、やはり難易度が高いのは、「感覚でそれを感じること」です。
感覚の成長は、とても緩やかですが、やり方次第で確実に成長していくのです。