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意識が変える。
公開日:2022年12月2日更新日:2022月12月02日
カテゴリ:良質さのお話。
以前のボクは鼻が鈍かった。
それに気づいただけでも、自分を褒めてあげたい。
そこに気づいたからこそ、「香りの情報をもっと感じられるようになりたい。」という意識が生まれたのだから。
そんなボクから言わせると、ほとんどの人たちは自分の感覚を疑いもしないでいる。
だから自分の感覚がすべてで、その偏った感覚を疑いもしないでいる。
その完全な好みを美味しさだと言い、良質さがあったとしても好みに当てはまらなかったのなら、美味しくないのである。
たとえ素晴らしく良質なものであったとしても、好みでないなら感情に触れられないのだ。
なので世の中では「自分の好み」を美味しさと呼んでいる。
本来の意味は「美しい」「味」であるはずなのに、人それぞれの「好み」が美味しさなのである。
だとしたなら、良質さとはなんなのか?
ボクはそこを理解したくて嗅覚を磨くトレーニングを試行錯誤し、そして意識として「良質さとは、なんなのか?」を常に頭の中に置いて生活をすることになった。
そんな日々を20年も続けていくうちに、少しずつ、少しづつ良質さの理解が深まっていった。
では良質さとはなんであるのか?
それは状態を意味していて、簡潔に言えば、「透明感」と何かが合わさりあって形を成している。
そして表現としては「光の表現」のように思っている。
そしてそれは情緒的な感覚を纏っているものでもある。
たぶん、良質さとは「美しさ」であり、美しいものすべてに当てはまる要素が上記の説明のように考えている。
だからこそ、美しさの定義を深く掘り下げ、美しさの共通点からその答えを探すことが求められるのだと思っている。
そして、それを感覚で捉え、そして感覚によって表現をする。
それが、良質なコーヒーを導くローストという作業なのである。