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クオリティを見る目線とフレーバーを見る目線は異なる。
公開日:2022年11月3日更新日:2022月11月03日
カテゴリ:良質さのお話。
昨日の話の続きになってしまうのですが、クオリティ(品質)は人の手の加わるところすべてで登場している。
ワインならば、ブドウを収穫するタイミングですべてが決まると考えられる。
そして製造過程で登場する品質が加わってくる。
お酒の場合なら、ブドウの素材由来の品質、アルコール発酵における糖化による甘さの品質と発酵におけるアルコールの品質、木製の樽を利用するのならその樽の品質など、フレーバーの成り立ちの種類だけ品質もそれに付随していると考えられる。
では、コーヒーの場合はどうだろう。
当然、コーヒーの場合も同じと言える。
フレーバーの成り立ちの種類だけ品質もそれに付随していることになると考えている。
コーヒーチェリーの収穫のタイミング、そして生産処理の品質、パーチメントの乾燥の品質、流通における品質。
ここまでが、生産から物流における品質。
そして、コーヒーショップにおける品質は、仕入れの目利き、ロースト、そして抽出。
抽出は、グラインダー(ミル)、使用するお水、抽出の取り組み、使用するカップなど、すべての要素で品質は存在している。
ローストから抽出は、好みも介入してくるため、何を基準にするのか?で、その取り組みは左右してくるものであると考えられる。
フレーバーを辿って、そのフレーバーがどこから登場してきたものであるのか?と同時に、その品質が問われることになる。
ただし、そこに品質の基準を当てはめるのか、それとも品質の基準は見ないようにするのか?で、美味しさの基準は人により左右されている。
だからこそ、「美味しさの基準は人それぞれ」で消費活動が成り立っている。
なので、嗜好品は「好み」だと認知されている。
だけれど、品質の基準が人それぞれで良いのだろうか?
品質の基準が好みで左右されては成り立たない。
なので、良質さの基準を推し量ろうとする人たち(組織)が現れる。
ワインの場合は、個人でその基準を作っていたりもする「パーカーポイント」がその例だと思っている。
コーヒーの場合は、スペシャルティコーヒー協会とCOE(カップオブエクセレンス)の2つの組織がそれぞれの仕組みを作り、良質さに対しての評価の基準を設けている。
スペシャルティコーヒーの認定を行う場合にはSCA方式で、COEの審査を行う際にはCOE方式で評価を行っている。
そして、これらを考えた場合に、フレーバーを見る目線と、クオリティを見る目線は異なるのだと言いたい。
どのような目線で、どのような美味しさを楽しむのか?
そこに尽きる。
そこを嗜好性と言うのだと思う。