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クリーンなお水での日々のカッピング。
公開日:2022年10月1日更新日:2022月10月01日
カテゴリ:抽出のはなし。
今まで、ロースト目線のカッピングでは、推奨しているクリーンなお水を使って抽出をすると、ローストの部分もクリーンになり過ぎてしまい、ローストの成り立ちを探すことが難しくなるんじゃないかと思っていた。
それくらいに、推奨するお水を使うとワンランク上の美味しさが手に入るからだ。
しかし、本日から喫茶コーナーで使用するお水を、その推奨しているナチュラル・ミネラルウォーターの「南アルプスの天然水」に変えてカッピングすることで、今までのボクの考え方が間違っていたことにも気づく。
クリーンなお水は、透明度が上がるため、雑味の部分もクリーンになりがちになるため、いろんな味わいが見えづらくなるような印象があるかもしれないが、透明感があるということは「クリアーに見える」ことでもあるのだと気づいた。
今まで喫茶コーナーでは、浄水器を通したお水を使用していたので、「背景に登場している酸味のフレーバー」と「」ローストのフレーバー」の境界線が合わさり、その境目は見えづらかった。もちろん、そこまでのクオリティに仕上げているということもあったのだけれど、それが推奨するお水を使用した場合では、その境界線の前後の違いが見て取れるようになっている。
味わいがクリアーになっていることで、フレーバーと酸味の部分がクッキリと感じることが出来るようになった。
ということは、より繊細なバランスまでを感じることが出来るため、より繊細な表現を施すことが可能になるということ。
今までも、ことあるごとに進化の道を歩んできたと思っていますが、今回のお水の変更も更なる進化のための布石になるのだと思える。
そしてもう一点だけ、付け加えておかなければならないこともあった。
それは、今ボクがここで話している「美味しさ」は、良質さという美味しさについてのこと。
ローストレベルで言えば、ライト〜ミディアムローストくらいまでの良質さという美味しさを示していたりする。
お客さんの中には、酸味系よりもローストが深いローストの甘さや粘性の美味しさを求める人たちも多い。
そのようなローストの深いコーヒーを求める人たちの多くは、透明感よりも甘さや粘性を求める傾向にあるので、もしかするとローストの深いコーヒーを求める人たちには、ミルとお水選びで、甘さやコクが登場するものを選んだ方が満足するようにも思う。
なので、当店のコーヒーに対しても「どこの美味しさを求めるのか?」で、ミル選びとお水選びの基準が変わる。
お店に喫茶コーナーがあるのは、実際に飲んでみて、求める美味しさが登場しているのかどうかを確認してもらいたいから。
そう。
求める美味しさによって、道具などの基準も変わってくるものなのです。