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ダンパ装置の限界とインバータ装置の合わせ技の可能性。
公開日:2022年9月22日更新日:2022月09月22日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 良質さのお話。
”たぶん”なのだが、ダンパ操作の最終形の扱い方が見えてきたと同時に、そこがダンパ操作だけでは良質なコーヒーのローストが成り立たないことを意味していることをはっきりと理解した。
その”たぶん”の意味するとおり、ダンパ装置の限界は2016年に、排気ファンの大型化とそれに合わせてインバータ装置を取り付けたことを意味しているが、ただ、まだその2016年時点では、ダンパ装置の本当の限界は見えてはおらず、感覚として「限界がある」のことを予感していたので、それらの改造を施したのだと思っている。
そして、それから現在までに、いろんなダンパ装置の技法の可能性と出会い、ローストのフレーバーの成り立ちが少しずつ見えてきたことで、”たぶん”「これが限界であろう」と思えるダンパ操作の最終形だと思えるところまで来ることができた。
そして、そこまで辿り着くことができたからこそ、もうダンパ装置だけでは、思い描くローストが出来ないことが理解できたことで、次はインバータ装置の取り扱いの可能性を探っていくことになる。
ただし、ダンパ装置の最終形とインバータ装置の合わせ技によって、これからのロースト技法は成り立つことになるのですが、それらの技法はコーヒー豆のポテンシャルによって変化することになる。
もうすでに、新たなインバータ装置の技法の「酸味の表現」の成り立ちの部分を探る旅を始めているが、この部分も広大なエリアのように思っている。
目標としては、「酸味の熟度の表現」のローストでの成り立ちを探ること。
もちろん、豆自体のポテンシャルとして良質な酸味を持っていなければならないことが前提となるが、ローストでの「酸味の熟度」が思い描くように表現できるのであれば、「仕入れとローストが完璧に繋がる」ことを意味している。
そうすれば、仕入れで選んだ豆ごとに、「いま以上に」思い描くような表現をすることが出来るようになってくるはず。
良質な生豆だけが持っている「艶やかさ」「明るい酸味」「フルーツ感」「キメの細かな質感と粘性」「透明感」。
それぞれの良質な部分を繋げて、そのすべてを表現できるのであれば、スペシャルティコーヒーは「良質な飲料の代名詞」となると思っている。
そして、その表現にはコーヒー生豆の生産者だけではなく、ボクたちのような焙煎士、そしてバリスタなどの取り組みが改めて評価されるようになるとも思っている。
そして、そのレベルでの表現のキーワードは「一貫性」だと言える。
すべては、ひとつの線で繋がっていないと、その良質な美味しさまでは辿り着けないことを意味している。