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ピアノ演奏のような、右手と左手の役割を表現する。
公開日:2022年9月15日更新日:2022月09月15日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
もう2年ほどになると思うのですが、コロナウイルスが蔓延して自宅からあまり出歩かなくなった時に電子ピアノを購入した。
最近ではめっきり練習しなくなってしまったのですが、また少しずつ触れたいと思うようになり触り始めている。
ピアノは、右手と左手の両方の手の指を使って演奏をする。
大まかには、どちらかがメロディラインを演奏して、その反対の手でリズムや曲に厚みをつけたりしているのだと思っている。
もちろん、メロディラインだけでも曲にはなるけれど、やっぱり物足りなさがあり、両手で弾くことで、よりキラキラとした曲としての重厚さや感情が届けられるようになるのだと思っている。
当店の焙煎機には、ダンパ装置と排気ファンにインバータ装置が取り付けてある。
今までも、ダンパ装置とインバータ装置の扱いは、それぞれ役割が違うものであるという認識ではいましたが、ここ最近の新しいローストに取り組んだことで、感じられるようになった世界感はまた進化し、ダンパ装置の役割とインバータ装置の役割は、ピアノの右手と左手のような役割なんだと気づく。
なので、1杯のコーヒーの中に、それぞれ2つの異なる流れを作ることが出来るので、その2つの流れをどうアレンジするのか?
が、焙煎士のアレンジャーとして、もしくは作曲家のような役割となるのだということがわかってきた。
ということは、明確に、その2つの流れを意識して思い描く味づくりという表現をしなくてはならないことがわかってきた。
ピアノの曲づくりと少し違う点は、素材のポテンシャルによっては、登場することが出来ない透明感があること。
そこら辺を考慮しながら、コーヒーという良質な酸味とフレーバーのアレンジをして、オリジナルのアレンジを施せることが、焙煎士としての面白さであり、そして難しさでもあることまでは理解できてきている。
だからこそ、仕入れの目利きが重要で、それが出来ない限りローストでのアレンジは出来ない。
なので、そこを真剣に学び取り組んでいかなければならないことを実感している。