読み物。
Blog
ローストという作業の裏にある感情を表現するポイントは。
公開日:2022年9月4日更新日:2022月09月04日
カテゴリ:感覚のはなし
今日、常連さんとローストの話をしていて、今回たどり着いたローストのことをコメントしていて、自分でも驚くコメントをしていることに気づく。
それは、常連さんが
「感情をローストに込めるって、すごいですね。」
と言う内容のコメントを聞いて、
「そうじゃないですよ。ロースト自体は設定の点をたどっていくだけで、感情を込めている訳ではないんです。大事なのは、カッピングによって感情が動くような設定の位置を見極めることが大事なんです。」というような発言だった。
そう。
ロースト自体は、ただ単に設定の点をたどっていくだけの作業。
ただし、その設定の「点」を読み取る能力がとても大事なのだということ。
そこが、ロースト目線のカッピングの目的なのです。
これ、自分で言っているのに、核心のことを言っていることに驚きます。
ローストで大事なことは、ローストの作業ではなくて、実際にローストしたコーヒーをカッピングして、そこに込められている美味しさや伝えたい感情の部分を表現している「設定の点」を見抜くこと。
そして、設定がズレているのなら、正しい位置にその設定を導く感覚こそが核心の部分。
その設定の点は、本当にピンポイントなので、ボクの場合は実際にローストしている時に感覚を使ってローストするタイプではなく、そのローストしたコーヒーのカッピングから、感覚を使ってピンポイントの設定を割り出すという作業を行なっています。
それは、秒単位で設定が狂うことを恐れているために、そのようなピンポイントの設定の点を探すことになった背景があります。
その方が、ローストは安定するからです。
なので、ローストを上手くなるためには、感覚を成長させるしか方法は無いのです。
ボクが、20年以上前にそこに気づき、自分の嗅覚が鈍かったことに気づいてから、それから嗅覚を成長させるためのトレーニングをし始めたことこそがローストには大事な部分なのだと改めて思いました。
そこに気づいて、そして諦めなかったからこそ、今回このような味づくりまで辿り着くことができた。
そう。
嗅覚の成長こそが大事で、嗅覚の成長は感覚の成長に繋がっているからなのです。