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2種類のカッピング・スキル。
公開日:2022年8月28日更新日:2022月08月28日
カテゴリ:テイスティング
今回、コーヒーテイスティングの評価項目のアシディティ(酸味特性)についての考察から、テイスティングを教えてもらっているOさんへ質問したことで、酸味に対しての「質」の理解が深まった。
とは言っても、まだ脳が理解している訳ではなく、意識レベルで「酸味の質」に対する、酸の質を描いた曲線のピークという認識の理解が生まれることに繋がった。
あとは、その酸の品質のピークを感覚で理解するために取り組むことで、それは感覚により見えるようになるはず。
ただし、そのコーヒーテイスティングのアシディティの捉え方は、「素材のポテンシャルを捉える」という、コーヒー生豆を買い付けをする時に必要なスキルであることには間違いないが、その仕入れのためのテイスティング(カッピング)と、ロースト(コーヒー焙煎)における「良質なコーヒーをローストするためのカッピング・スキル」とは見ている場所がまったく異なることにも気づくことになる。
なので、焙煎士は2種類のカッピング・スキルを身に付けなければならないのだとも言える。
それは、仕入れのためのカッピング・スキルと、ローストのためのカッピング・スキルの2つ。
焙煎士は、仕入れも行うしローストも行わなければならないので、本当に良質なコーヒーを提供したいと考えた場合には、その両者のスキルが必要不可欠となる。
ただし、ボク自身もそのことに気づくのは時間がかかったので、まずはそれに気づくことが大切なのだと伝えたい。
そして、仕入れの際のカッピングでは、素材の持つポテンシャルである「酸の質」や「質感」などのローストの良し悪しでも左右されにくい部分の品質目線のカッピングスキルを磨く必要があるのに対して、ロースト目線のカッピングでは、ローストによるダメージのフレーバーの理解やローストによる状態(アンダー・オーバー)の理解、そしてローストによる酸と甘さの熟度の関係性を感覚で捉える必要性がある。
仕入れで、酸の質のピークを間違えて仕入れてしまうと、それをローストで補うことはできないので、「仕入れ」と「ロースト」の関係性は繋がっているため、焙煎士はそのためにカッピングを学ばなければならない。