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美しさの本質という味づくり。

公開日:2022年8月20日更新日:2022月08月20日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

美しさの本質という味づくり。

2018年の焙煎の競技会で決勝に進んだときにはじめて時代の流れを知ることになった。
それまでボクの焙煎は、出来るだけ他所の焙煎に触れないように「鎖国」をしていたので、完全なオリジナルな焙煎だった。
そのオリジナルの焙煎では、すでに「透明な空気感」の表現の成り立ちの骨格には触れていた。
そこに、新たな風が流れることになった。
その新たな風が「明るさ」だった。

その当時の焙煎を肌で感じ、そしてその感じてしまった「時代の流れ」を受け、今までのオリジナルの焙煎に時代の流れが介入することになった。
そして、決勝に進んだボク以外の5名の焙煎にも触れ、完全なオリジナルの焙煎に、新しい「流れ」が入り込み「ハイブリッド」な焙煎が導入されていくようになった。

新たな風を受け、あれから4年が経とうとしている中、その経験を踏まえたことで、今目指すべく味づくりがきちんと見え始めた。

焙煎と並行したローストの論理の構築では、美術作品はボクにとってとても大きな役割を担っている。
ゴッホ展では、色彩と色調に気づき、
岡崎乾二郎さんの個展では、茶色の透明感とその成り立ちに気づき、
秋野不矩さんには、脳内で感じる景色の感覚と光の色彩の表現に気づき、
吉田博さんでは、色調の成り立ちに気づき、
そして今回の東山魁夷さんでは、透明な空気感がもたらしている効果に気づく。

コーヒーのフレーバーを脳内で景色として捉えれる人ならば、これらの現象の成り立ちの論理に気がつきさえすれば、それをコーヒーの焙煎に当てはめ、それを表現することが可能となる。

そして、新たな風を受けてから、その流れに身をまかせてきたことで、4年間で様々な技術を手に入れることができ、それを持つことができたからこそ目指すべく味づくりがキチンと見えてきた。
これからは、ボクの味づくりは明確なビジョンの元で、ボクが「目指すべく美しさ」を目標として味づくりされることとなる。

透明な空気感に、目指すべく色彩を纏い、そしてフルーツの酸味と甘さ、そして質感と粘性を表現する。

すべては、今までの出会いと経験がなかったとしたなら、この境地にまで辿り着くことはできなかった。
これからは、目指すべく美しさを見据え表現することがようやく出来るようになったので、その美しさを目指して取り組んでいきます。

ボクにとって、2018年と2022年はとても大きな意味を持つ年になった。

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