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ご自宅で美味しく抽出するためには、お気に入りのお店を見つけることから。
公開日:2022年8月13日更新日:2022月08月13日
カテゴリ:抽出のはなし。
昨日、浜松でとあるコーヒーショップで働いているバリスタさんが来店され、コーヒーのローストの話をしていた。
以前からも話しているのですが、バリスタと焙煎士では目線が異なる。
バリスタさんもコーヒーのことを学ぶためにローストを勉強したりするのですが、その目線はバリスタの仕事が軸となっている目線である。
要は抽出で味を整えるという目線で、それはなぜだか「営業職」と似ている気がしている。
出来上がっている製品を、如何にして消費者に届けるのかを考え、その商品を魅力あるものにする。
かたや焙煎士の目線では、仕入れと、その後の加工であるローストを施すことまでが主な仕事となる。
この「仕入れ」と「ロースト」で、商品としての味づくりは、ほぼ完成していることになるので、焙煎士の目線では、市場のニーズからイメージをして感覚により素材の質の判断をして仕入れを行い、そして連動したローストを行う。
そして、抽出はそのローストされたコーヒー豆を仕入れからの一貫した流れの中で位置づけているので、コーヒーショップごとに抽出での考え方が異なってくる。
コーヒーショップが大きくなるに従い当然分業制を取り入れるようになるのですが、個人店のように小さくなれば、ローストと抽出を同じ人が作業をすることになるため、そのショップのオーナーが焙煎士出身なのか、それともバリスタ出身なのかで、コーヒーへのアプローチはまったく異なるものとなるのだと考えている。
バリスタさんは抽出で味を整え美味しくすることが仕事でもあるので、バリスタ出身のショップでは自宅でそのショップと同じ味を再現することは難しく、抽出のコツをセミナーなどで学ばなければ、なかなかご自宅でそのショップの味を再現することは難しい。
なので、ご自宅でそのショップと同じような味を再現するためには、コツコツと抽出の技術を学ぶことが求められる。
焙煎士出身のショップでは、仕入れからの一貫した考えの元で抽出も取り組んでいるはずなので、そのショップの考えている同じ抽出法を採用する必要があるのだと考えている。
なので、気に入ったショップが焙煎士出身のお店だったとしたなら、また新たにそのお店が推奨する抽出器具を購入する必要性が生まれる。
どちらにしても、抽出は消費者自らが行わなければならないものなので、美味しいコーヒーをご自宅でも飲みたい場合は、気に入ったショップで推奨する抽出法とそのレシピで抽出することが理想なのだと思っている。
なので、美味しいコーヒーをご自宅で召し上がりたいと考えている人に伝えたいことは、まずは実際にコーヒーショップに出向き、そのショップでオススメのコーヒーを1杯飲んで、自分が気に入る味を提供するお気に入りのショップを見つけることが、はじめの一歩なのだと考えている。
お気に入りのショップが見つかったのなら、そこで抽出法を含む、抽出のレシピを教わり、自宅で抽出を取り組むのです。
残念ながら、お店ごとに推奨している抽出法とその抽出のレシピが異なるので、通販で豆を購入して好みを探すよりも、実際にお店で飲んで味の好みを見つけ、そのお気に入りのお店で抽出を教わることが、ご自宅で美味しいコーヒーを安定して飲めるようになる取り組みなのだと思っています。
ちなみに当店の場合は、紅茶のように熱湯で浸け置く方法(浸漬式)で、使用するフィルターはオリジナルのフィルターを使うことを推奨しています。
*香茶屋の抽出法