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美しさとは、なんなのか?
公開日:2022年7月20日更新日:2022月07月20日
カテゴリ:良質さのお話。
テイスティングを学んでいくうちに、脳で香りの情報を処理されるようになっていく感覚が生まれてくる。
すると、不思議な現象を実感することがある。
美術館に出向いたときに、すべての絵画ではないのだけれど、絵画を見て、その絵が脳の中で「動いているように」感じたり、「音」や「風」、絵の具で描かれているはずなのに「光の色」を脳の中で感じたりするような絵画が稀に存在することを体感する。
だけれど、そのような絵画はほんと稀で、多くは存在していない。
ボクの推測になるのですが、そのような絵画は作者が、静止画を描きたいのではなくて、季節や気候そしてその時間帯で感じた、そのときの心情に訴えられた「その時の情景を描きたい」からこそ、それを絵画に閉じ込めるために考え出された技巧などがあるのだろうと考えています。
でも、それを描けれる一番の能力は、ボクがテイスティングの学びで得たような「脳で美しさの成り立ちを理解している」ことなのだと考えています。
目で見た美しさではなくて、目で見た情報を脳の中で処理をする際に「美しさの定義の場所を見ていること。」が、モノを作る上ではとても大切なことなのだと考えるようになった。
美しさがなんであるのか?
そこは、学ばない限り、その答えを導き出すことはとても難しいからです。
そして、その答えの行き着くところもなく、絶えずその問答に対して向き合わなければならなくなる。
それは、美しさの答えは一つではなく、幾つもの意味が存在しているからなのだと思っている。
なので、いろんな解釈があり、いろんな意味が含まれている。
美しさに対しての定義を常に考え、そしてそれらを感じ取れるようになること。
そして、それが人の営みの中で感じられるようになったなら、次はそれを具現化して表現すること。
モノづくりの人間に求められるのは、そのようなことなのだと思う。