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良質さを感じ取れるようになるための基礎を伝える講座。
公開日:2022年7月17日更新日:2022月07月17日
カテゴリ:感覚のはなし
これまで感覚(嗅覚)を育成するためのトレーニングをするに向けて「意識の重要性」がとても大切であると述べている。
意識の向け方の重要性は「脳の働き」が絡んでいるのだと考えていますが、ボクは科学者でもなければ、ただのコーヒー焙煎士なので、科学的な根拠は何もないのですが、いろんな本などを読んで分析をすることで、「意識の向け方」の重要性を認識しています。
昨日もボクの友人がコーヒー豆を買いに来てくれて、話をしていたのですが、友人に限らずにほとんどの人たちの興味は「自分の好み」であるかどうか?ということ。
人の購買行動は、好みであるものでしか発動されないと考えているので、それはとても理にかなっている。
が、しかし、そこに「良質さ」に対しての基準がある人と、無い人では、良質さの美味しさに対しての捉え方が全く異なるものになってしまう。
食の場合の良質さを判断する基準としては、「味覚・嗅覚・触覚」の3つの感覚で食を判断できるのかどうか?ということなのだと考えている。
本来ならば「味覚・触覚」は大脳新皮質で情報を処理されるのに対して、「嗅覚」の情報は大脳辺縁系と呼ばれる人の情動行動に関与する脳で処理をされるので、2種類の脳で処理をするためには、今までの経験から感覚を切り替えることが求められるのだと分析をしている。
しかし、現代に生きる人たちは、何かの情報で聞いたのですが、香りの情報を大脳新皮質で処理をしている人が多いのだとか。
そうすると、ボクが香りの情報で一番大切だと考えている「感情に訴えかける情動が起こらない」のです。
良質さとは「美しさ」でもあります。
食の良質な「美しさ」とは、感情に訴えかける情動が起こるからこそ、感動し、そして感嘆することが出来るものです。
しかし、良質な香りの情報が、本来処理されるべく大脳辺縁系で処理をされずに、嗅覚以外の五感と同じく大脳新皮質で処理をされているとしたなら、その感動は得られることはないのだと考えられます。
美味しさは理解できるのだけれど、感動する「美しさ」を体感することはできないのです。
同じものを食べて感動できる人と、そこまでの感情が起こらない人の違いは、香りの情報を脳で処理をされる場所によるのだと推測ができるのです。
では、どうしたなら香りの情報を大脳辺縁系で処理されるようになるのか?
テイスティングの学びの本質は、実はここにあるのだとボクは思っています。
表現力だとか、そんなものはどうでもいい。
人生において最も大切なことは、感動できることなのだと。
ボクは時間がかかりましたが、良質さを認識し、そして感動をすることが出来るようになりました。
以前のボクだったとしたなら、良質さを認識できていなかったので、通り過ぎてしまっていた良質さも、今では通り過ぎることはなく、しっかりと認識して受け止めることができ、そしてそれが感情に訴えかけていることにも気づいています。
感じ取れている人たちと、感じ取れない人たちの差は、同じ時間を経験していたとしたなら、その差はとても大きい。
それは、学ぶことで、習得できるものだとお伝えしたい。
当店で開催している「フレーバーの景色を見るための講座」は、その基礎を教える講座内容となっています。
基礎の重要性と、意識の向け方をお伝えする講座です。