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フルーツ感を登場させるロースト技術はテイスティングのスキルから。
公開日:2022年7月8日更新日:2022月07月08日
カテゴリ:感覚のはなし, 焙煎の味づくりのこと。
スペシャルティコーヒーにおいて、良質な表現はやはり「フルーツ感」であるといえる。
フルーツ感には、「フルーツのような酸味」「フルーツのような甘さ」「フルーツのような粘性」「フルーツのような質感」などが挙げられるが、それぞれを全て登場させられるのなら、それが一番フルーツらしいのだと考えられる。
しかしながら、上記のフルーツらしさを全てローストにより表現することは難しく、理想としてそれが表現できるように取り組むことがスペシャルティコーヒーを取り扱う焙煎士の目標だと言えるのだろうけれど、それを表現できたとしても通年を通して表現することは、ローストでのフレーバーの成り立ちを完璧に理解をする必要性がある。
この問題には、まずはフルーツらしい「酸味、甘さ、粘性、質感」のそれぞれの登場させ方を把握することが、まずは第一歩。
その次に、それを通年を通して表現するためのロースト全体で目指す表現を構築できるスキルを身につけることが求められるのだと考えられる。
ボク自身も通年を通してすべてのフルーツ感を表現することは難しく、現時点でもそこを目標に取り組んでいる。
酸味を登場させながら、甘さを登場させる。
言葉で聞くと簡単そうに聞こえるのですが、意外とこれが難しくて、そして更に「フルーツらしい酸味」と「フルーツらしい甘さ」は更に難しい。
そして、焙煎士目線からすると、「香りの情報」と「酸味」と「甘さ」の情報はそれぞれ設定の場所が違うので、どう表現したいのかによって、設定は変更する。
そして、「粘性と質感」はボリューム感なので、それもどのくらいのボリュームでもフレーバーがポジティブに登場するのかで設定は調整される。
このように焙煎士目線では、フレーバーの成り立ちを分解して分析をしている。
それは、ローストによって登場しているフレーバーは、焙煎士が作り出しているから、そのような目線でフレーバーを見ていることになる。
だからこそ、焙煎士を目指そうとするなら、フレーバーを分解して見れるようにならなくてはならない。
どうしたら、そのようにフレーバーを分解して感じ取れるようになるのか?
その取り組みが焙煎士にはとても大切なことなのです。