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慣れ。
公開日:2022年7月7日更新日:2022月07月08日
カテゴリ:感覚のはなし
毎日、焙煎したコーヒーをカッピングしては、その焙煎プランの構成の是非を確認しているのですが、感覚は日々ちょっとずつ、ちょっとずつ変化をしていくものなので、自分の感覚の使い方の変化に気づかないものでもある。
よく自分でも言っているのですが、フレーバーで使う感覚は「嗅覚・味覚・触覚」の3つ。
そして、その3つの感覚を使って、ボディ(広がり・厚み・密度)、色や粘性、香りという情報を見ています。
ある程度、フレーバーの景色が見れるようになると、フレーバーの状態を「まとめ」て見てしまうようになるのですが、すると見落としてしまうことがあるのだと気づきました。
それが「慣れ」と言う感覚なのだと。
上達するに従い、初心を忘れ、多くの情報を見なくなってしまう。
ローストが難しいのは、それぞれのローストの設定ごとでの成り立ちを理解する必要があるのだということ。
「この設定のポイントは、広がり方と色で確認をする」とか、「この設定のポイントは、余韻の甘さの茶色と質感を確認する」とか、設定ごとでその状態の確認方法が異なるのだが、「慣れ」はその確認方法までも省略してしまうのだということ。
経験値を積まないと上達はしないけれど、上達すると「慣れ」の感覚が生まれてしまう。
感覚の難しさは、自分を俯瞰して律することができなければならない。
どこまで行っても、やはり良質さを作ることは難しいのである。