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経験値。
公開日:2022年7月3日更新日:2022月07月03日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
ボクが思うローストの経験値には、実際に焙煎を行うという経験値と、頭の中の想像の世界での味づくりを構築するという経験値がある。
ボクが大阪で会社員としてローストの仕事をしていたときには、毎日平均して15~25バッチもローストをしていて、それだけの仕事量だとすべてのローストをカッピングすることは時間的にも精神的にも難しく、それに加えて「頭の中で次のローストプランを組み立てること」も、すべての取り扱うコーヒーごとに取り組むことは難しかったことを覚えている。
なので焙煎の回数が多ければ、経験値が増えるというわけではない。
独立してからの毎日の焙煎回数は全然少ないのですが、だからこそしっかりとカッピングすることができ、カッピングすることで、次のローストプランへ味づくりを頭の中でイメージして構築する取り組みが可能になってくる。
ただし、イメージして味づくりが出来るようになるというだけで、実際の味づくりに反映されるには何年も何十年も経験値が必要となる。
ただローストするだけで、味づくりというバランスを取らなければならないので、ローストでの味づくりはそんなに簡単なことではない。
毎日の、その繰り返しの取り組みが出来ることで、頭の中のイメージと実際の味づくりが徐々にリンクするようになってくる。
ボクの場合は、それが出来るようになるのに20年を費やしてしまった。
それくらい、ローストでの味づくりは難しい。
ローストの取り組みだけで、甘さや酸味、ボディ感、質感、などのバランスを取らなくてはならないので、焙煎機の取り扱い方を理解し、目指す味づくりを狙って再現するためには、今まで述べた「経験値」がものを言う。
目指す味づくりのために、どのような技術力が必要であるのか?
それらの必要性を理解し、そしてそのスキルを得るために取り組んでいく。
その繰り返しの日々を何百回、何千回、と繰り返すことで、目指す味づくりが前進するようになる。
なので、出発点とは発想力なのである。