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ロースト目線のカッピング。
公開日:2022年5月26日更新日:2022月05月26日
カテゴリ:テイスティング, 焙煎の味づくりのこと。
昨日の続きみたいなものなのですが、ボクのような焙煎士たちは、「ローストで良質なコーヒーを味づくり」しているので、その目線は、ローストによって変化するフレーバーの情報を見て、ローストの味づくりの確認をしている。
要は、ローストによって「美しさ」を表現できれば、良質なコーヒーとなる。
その「美しさの目線」で問われるのは、「液体の質感」と「酸味との繋がりのフレーバー」となる。
その両者が美しいのであれば、良質さは表現できてしまうのだと考えている。
それを補助的に確認するために、フレーバーの「色の情報」はとても重要になると言うこと。
甘さを極端に登場させようとすると、どうしても登場させたくない種子由来の植物系のフレーバーが豊に登場してしまう。
なので、良質な甘さを登場させることが、とても難しい。
そしてフルーツのような良質な酸味と良質な甘さを同時に表現することは、もっと難しくなる。
ボクが大切にしている表現は、「良質な」酸味と「良質な」甘さ。
どのような酸味や甘さでもいいのなら、それほど難しくはない。
問題は、「良質な」酸味と甘さを同時に登場させること。
季節の移ろいで、良質さも登場しなくなってしまうので、自分の感覚を過信しないで、きちんとカッピングと向き合い、そして「このローストが本当にベストなのか?」を毎回チェックしていかなければならない。
そして、修正しなければならないのなら、どこを修正しなければならないのか?
をカッピングから探り当てること。
それが、ボクの仕事になる。
なので、この目線は「仕入れ」で行うSCA評価やCOE評価のカッピングの目線とはちがうのです。
同じように「良質さ」を評価しているけれど、仕入れ目線とロースト目線はちがう。
そこにまた難しさがあるのだとも言える。