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粉での販売を検討。
公開日:2022年5月18日更新日:2022月05月18日
カテゴリ:抽出のはなし。
もう十数年前から、粉の状態での販売を中止して、豆の状態での販売を続けてきましたが、現在粉での販売の再開を検討しています。
その背景にあるものは、お客さんに2つのメリットがあると考えれるようになったからです。
粉で販売することによって、
1・品質を落とさないで粉で提供ができるのであれば、簡単にご自宅で当店のコーヒーが再現できる抽出システムが2020年に出来上がっている。
2・お店で使用している高品質なコーヒーミルで挽いた粉が利用できるため、満足度は100%となる。
上記の2つのメリットも、今までの20年という香茶屋の経験があることで、たどり着けた「抽出の取り組み」による背景が大きい。
現在では、浸け置き式抽出法を採用しておりますが、100°Cの熱湯で4分10秒間浸け置くというとてもシンプルな抽出法で、この抽出はテイスティング・グラスを使うコーヒー・カッピングの要領と同じ手法です。
ただ、コーヒーカップに液体を注ぎたいので、微粉を当店でオリジナルに開発をした「不織布フィルター」で濾過しているだけ。
これこそが、技術力の集大成により2020年に開発した、香茶屋オリジナルの抽出法なのです。
その背景にあるものは、焙煎技術の向上がなければ、この抽出法は実は成り立ちません。
100°Cの熱湯も、4分10秒という長い時間の抽出でも、素材のダメージとローストのダメージの2つのダメージが無いことで、この抽出が成り立っています。
良質で美味しい成分がほとんどで、雑味やダメージが無いからこそ、この設定が成り立ちます。
そのためには、良質な「仕入れ」の目利きだ必要となり、ダメージを与えない良質なローストができなくてはなりません。
そして、あと2つ抽出で大きく味が変化する要素が実は存在しています。
それが、「どのようなお水を使用するのか?」と「どのようなミルで粉砕するのか?」という2点です。
両者共に言えることは、合っているお水やミルは、「くっきりと”透明感のある”いろんな成分が抽出される」ということ。
合っていないお水やミルを使うと、「ボヤける」「くすむ」「濁る」という液体となり「透明感が半減」してしまいます。
これは、良質な仕入れと、良質なローストを施していたとしても、使用するお水と使用するミル選びにより、そのような結果の液体となってしまいます。
現在当店で推奨している「浸け置き式抽出法」では、「どのようなミルで粉砕するのか?」もしっかりと味の変化として登場してしまうために、実はお店の高品質なコーヒーミルで粉砕してあげた方が良いのですが、そこの問題が「粉にすることで、風味の劣化が早くなってしまう」ことでした。
「品質を下げたくない」という想いから、粉の販売を見送ってきましたが、不活性ガスである「窒素ガス」をガス置換包装にて、窒素ガス充填ができるのであれば、その問題が解決されるため、現在その「窒素ガス充填機」の購入を考えているのです。
その「窒素ガス充填機」で、窒素ガス充填ができるのであれば、当店で推奨しているコーヒーミルで粉砕することが可能となり、そして当店が推奨している「浸け置き式抽出法」は技術力が要りませんので、ご自宅でお店と同じ味が簡単に再現できるようになるという、今までの当店の取り組みが全て解決することにもつながります。
ただ、こちらの機器は当店にとってはかなり高額なため、現在この機器の購入のために補助金の申請をしております。
その補助金の採択が決定するのが7月くらいになりますので、もしも今回のこの窒素ガス充填機が購入できるようになれば、当店の喫茶コーナーで召し上がるのと同じ味わいがご自宅で、ご家庭で召し上がることができるようになりますので、採択されることをぜひ祈っていてもらえたらと思っております。