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テイスティングは、繋がり出すと面白くなってくる。
公開日:2022年5月7日更新日:2022月05月07日
カテゴリ:感覚のはなし
明日の5/8(日)は、「浜松サザンクロス・ほしの市」に出店のため、お店はお休みとなっております。
お間違えのないように、よろしくお願いいたします。
ボクはよく「テイスティングは表現力ではありません。」と言う。
「テイスティングは、分析力」なのです。
そして、その「分析力」と言う意味は、脳の中で「繋がり出す」という現象が起こり始める。
俗に言われている「セレンディピティ」という現象もその一つだとボクは思ってもいる。
それは、「気づき」のための能力でもあるのだとも思っている。
その根源となっているのは、「香りのインプット」。
香りを脳に記憶していくことが、すべての始まりとなっている。
生まれつき嗅覚が敏感な人たちは、生まれつき香りの情報量が見えるので、自然に楽しみながら香りの情報を脳に記憶できているのだと分析をしている。
だけれど、99.9%のほとんどの人たちは香りの情報を偏って理解している人なので、すると偏った情報のみのインプットとなってしまうため、まずは香りの情報量を知識として理解しておく必要性がある。
そして、香りの情報量を分析しながらインプットしていくことで、香りの情報を「カテゴリ」に脳が分類してインプットができるようになる。
今までの経験上、「分析力」を発動するためには、香りを「カテゴリ」に分類することが重要であると思っている。
なので、「分析力」のためには、香りを脳内でカテゴリに分類するために、香りの情報量の分析が必要であるのだと考えている。
テイスティングを表現力だと思っている人は、そういう目線で香りの情報をインプットできていないので、カテゴリに分類することが曖昧になってしまっている。
具体的もしくは抽象的に表現する場合でも、カテゴリの理解は表現的にとても重要な要素なのだと考えている。
その辺りが曖昧な人の表現は、辻褄が合わない。
こんなことを書いているが、ボクのテイスティング・スキルはそれほど大したものではない。
なのでずうっとトレーニングをしているのですが、ここ浜松市は柑橘系の「みかん」の栽培が盛んで、畑の一角や自宅の庭に「みかんの木」が植えられていたりして、この季節(5月初旬)になると、そのみかんの木に花が咲きはじめる。
みかんの花は、白色の花なのだけれど、そのみかんの花の香りが果実になったときに、果実の皮の香りの中に、その花の香りが混じっていることに気がついた。
それを、うちの相方に話したら、「皮だけじゃなくて、果肉の中でも感じるよ。」と言われた。
ボクはまだ、みかんの果肉の中に、みかんの花の香りを感じられるようになっていないので、次はそれを感じられるようになるために、みかんの花の香りをこの季節にしっかりと嗅いでおこうと思っている。
このように、果物の場合は、花が咲いてから、果実になるので、果実からその果実の花の香りも登場することになる。
それらの一連の成り立ちを実は香りが教えてくれているのだが、多くの人たちはそれを香りから感じられないので、当然ながら繋がりが見えていない。
でもトレーニングで、少しずつ成り立ちが理解できるようになってくる。
すると、いろんなことが理解できるようになり、そして表現もできるようにもなる。
ボクはそれらが見えるようになりたいと思っている。
それは、美しさを表現したいから、その成り立ちを理解したいのである。
なので、本質を理解し表現するためには、かなり緻密な分析が出来なくてはならない。