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チグハグさは、心に響かない。

公開日:2022年4月1日更新日:2022月04月01日
カテゴリ:感覚のはなし

チグハグさは、心に響かない。

仕事柄、毎回ローストをしたらカッピングをする。

今朝ローストしたコーヒーをカッピングしていると、「爽やかなフルーツの酸味があり、しっとりとした質感があり、どうやってこの爽やかさがローストで登場するんだろう?」と、自分でローストしたのにそんなことを思っていた。

そして、その答えを考えてみると、もう1つしかない。
「仕入れ」による素材選びなのだと言うこと。

どんなにローストの技術が向上したとしても、元々それが素材に無かったら登場することはあり得ない。
だから、仕入れの目利きも同時に向上しているのだと改めて思ったのだ。

感覚の向上は、良いものを作り出すためには必須項目なのだと考えて、20数年前から取り組み始めた。
その頃の感覚は、今では笑い話にできるほどトンチンカンだった。
ダメージすら見えていなかったから、その当時にコーヒーインストラクター1級の資格を受験したら間違いなく受からなかったことだと思う。
それが、今はダメージをきちんとダメージだと認識できる感覚が育っている。
これは、ボクにとってはとても感慨深いことなのです。

感覚とは、とっても不思議な現象で、理解できている人には当たり前のように理解できるものであるのに対して、理解できていない人にとっては意味がわからないもの。
実は昨晩、スマホアプリで当たりが出て、微アルコールのビールが当たったので、それをうちの奥さんが夕食の時に飲んでいた。
ビールの缶にオレンジ色と黄色のグラデーションがプリントされている。
そこで、ボソリとうちの奥さんが呟いた。
「グラデーションの色の上下が逆なんだよね。」
感覚が育ったことで、その意味がボクにも理解ができるようになった。
でも、これをデザインした人、そしてそのデザインにOKを出した人たちには、その意味が理解できていないのだと思う。
そういうところが、フレーバーとなって登場しているものでもある。

表現は、どこまで感じ取れているのかで、その内容に真実が含まれてくる。
なので、何かを作ったのなら、そのすべてが意味を持つ。
その意味にチグハグさを感じるのか、それとも繋がりという流れを感じるのかで、作り手の感性は見えてしまう。

大手メーカーでも、繋がりの流れを感じる商品もあるし、有名店で人気商品でもチグハグさを感じる商品もある。
ボクは個人的に、作り手の丁寧さを感じるものを購入する。
そういった丁寧に作られたものは、繋がりを感じる可能性が高い。
それが大手メーカーでも、個人店でも、そこに作り手の丁寧さを感じ取れれば、応援したくなるし、もちろんそこに美味しさがあるのだと考えている。
でもそういった商品はなかなか見当たらない時代になってしまった。
それは、良いものを作り出そうという考えで商品化をしなくなってしまったからだと思う。
売れるものを作る。
その考え方からでは、チグハグさを感じる商品しか生まれない。

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香茶屋では、店主である私が歩んできた道を分析し、感覚が成長していく歩み方を伝えてゆくことで、正しいロジックのもとで各講座の「学ぶ。」が運営されています。

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