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エイジングという考え方。

公開日:2022年3月20日更新日:2022月03月21日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。, 論理的な考え方

エイジングという考え方。

今日来店されたお客さんに、「焙煎日から、どのくらい経ったコーヒーがベストですか?」と聞かれた。

いわゆる「エイジング」という考え方なのですが、ボクはこの考え方はバリスタが考え出した取り組みなのだと捉えている。
ローストで何かしらのダメージがある場合には、エイジングによりそのローストのダメージを緩和することができるというテクニックで、そこはどのようなローストのダメージなのか?で、エイジングの経過時間は変わるのだと思っている。

そして、ロースター(焙煎士)目線から見たエイジングという概念があり、ローストのダメージが無く、その上ローストによるバランスがベストな状態のものは、焙煎日からどのくらい時間が経過したとしてもバランスが良いので、エイジングという概念が無くなる。
良質なコーヒーを使用した場合の、ベストなローストの場合に限って、どの経過時間で切り取ったとしてもバランスが良い。
そのようなローストが望ましいのだと考えている。
ただし、そのようなローストはとても難易度が高く難しいために、あまり市場には存在していない。
だからエイジングという考え方が一般消費者にまで知れ渡ってしまっている。

当店の場合は、ボクが焙煎士であること、そして理想を探求しながら1台の焙煎機で20年もローストを施しているので、焙煎機の個性を理解してきている。
そのためエイジングの必要性がないローストの場合が増えてきている。
ここで、「場合が増えている」と語るのも、毎回ベストなローストができる訳ではないから。
それくらい、ローストは難しく安定しないもので、当たり前のようにダメージが登場してしまいがちとなる。
だからバリスタも当たり前のようにエイジングというテクニックを取り入れる方向で抽出に取り組むために、良質なローストに出会った場合にもダメージがある体で抽出に取り組んでしまうクセが身に付いてしまっているために、その良質さを引き出す抽出が出来ないバリスタが多いのだとボクは思っている。

論理とは、必要性がある場合と、その必要性が無い場合を成り立ちから区別するためのもの。
実は、そこが大切なのだけれど、多くの人たちは、そのすべてに当てはめようとする傾向にある。

だからこそ、論理的に考えることが大切であり、そして論理的に取り組む姿勢が大切なのだと思っている。
そして、その論理が正しいのかどうかを検証するために感覚が必要となる。

なので論理と感覚は、どちらか一つだけでは不完全なもの。
ボクがここまで辿り着けるようになれたのも、そのロジックが理解できたから。
なので、論理と感覚の併用による理解がモノゴトの本質に導いてくれるものだと考えている。

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