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フレーバーの良し悪しをきちんと理解している人。
公開日:2022年2月24日更新日:2022月02月25日
カテゴリ:感覚のはなし
論理をしっかりと理解できてくると、当たり前のことなのだと認識できるようになるのですが、その論理を理解するまでがとてつもなく大変で時間も必要とする。
昨日も書いたのですが、また一つ焙煎の論理を理解した。
でも、わかってしまうと「そんな当たり前のこと」なのだと思えるから不思議だ。
昨年か一昨年だったか、焙煎のプロファイルをモニターで見せながらローストを演出するのが流行っているという話を業者んから聞いた。
理想のプロファイルのグラフを追いかけながらモニターを見てローストするらしい。
なんでそんなことをするのか、ボクには理解ができないが、グラフ通りに焙煎ができれば理想の同じ味に仕上がるのだと思い込んでいる人たちが多いのだと推測できる。
その論理が正しいのかどうかは、カッピングをしてみたらすぐに分かりそうなものなのだけれど、とボクは思う。
その焙煎の論理が正しいのか、正しくないのか、それを検証することで正しい道を歩んでいける。
なので、焙煎士はカッピングをきちんと身につけなければならない。
好みではなく、フレーバーの良し悪しを判断するためのカッピングをです。
どのようなフレーバーが良質で、どのようなフレーバーが劣悪なのか。
そこを学ばなければならない。
ローストによって液体の質感も変化しているし、ローストによって酸味も変化をしている。
もちろんフレーバーも、透明感も、アフターテイストもローストによって変化をしている。
どのようなフレーバーが良質で、どのようなフレーバーが良質ではないのか?
それがわかればローストも、そして抽出でも良質さを表現できるようになる。
ただし、そこをしっかりと理解できている人も、とても少ない。
ボクが今までの人生の中で、出会った人の中では2人くらいしか知らない。
資格を持っているだとか、審査員をしているからだとか、そういうレベルではなく、きちんと理解ができている人。
その人を見つけることがとても重要で、その人と出会って、その人から教わることがとても大切なのです。
だからこそ、きちんと理解できている人と巡り会えたことは、ボクの人生でとても大きい出来事だったのだと思う。
その一人が、コーヒー生豆問屋さんのOさんと、うちの相方のとりあえず2人だけ。
感覚がある程度良い人は、世の中にチラホラと見かけますが、きちんと良質さを学び、その上できちんと良質さを理解できている人はとても少ない。
それはなぜか?と言えば、感覚が生まれつき良くても学ばなければ、好みに囚われてしまうから。
そして、良質さの理解は果てしなく奥が深い。
あと、きちんとカッピングをしながら話をしないとその人のレベルが見えないので、実際に会ってカッピングをして話をしたことがない人は、理解できている人の中には入れておりませんので。
あしからず。