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ローストの成り立ちは、夕焼けの色彩。
公開日:2022年2月16日更新日:2022月02月16日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
ローストのカッピング・スキルと言うものがある。
本来のカッピング(テイスティング)とは、コーヒー生豆の評価をするためにその技術は発展してきたのですが、ボクたちロースター(焙煎士)が日々おこなっているカッピングはローストのためのカッピングなのです。
どういうことかと説明しますと、本来のカッピングはコーヒー生豆のポテンシャルを判断するために各評価項目(COE評価の場合は8項目)で採点をして、そのコーヒー豆の評価を点数として評価をします。
しかし、ロースターの場合は、ローストによってもその評価が左右してしまっていることを理解しているので、出来るだけそのコーヒー豆の個性を活かすようなローストを取り組むために、実際にローストしたコーヒーをカッピングして、あまりバランスが良くなかった場合には、次のローストでよりバランスの良いコーヒーに仕上げるために、「どのようにローストするのかを考えて決める」と言うカッピングでフレーバーの情報から次のローストを読み取ると言う工程をしています。
これが、ローストのためのカッピングです。
ですのでロースターの場合は、カッピングでローストの成り立ちが見えてくることが、目指すローストをするために必要なスキルであるのだと考えられます。
しかし、そこがとても難しい領域なのです。
そして、そこはほんとに少しずつ、少しずつ、見えてくる領域なので、理解できるのにとても時間がかかります。
そして、ボクの場合も先週の後半に「なんとなく」ですが、そのローストの成り立ちと言う意識が、朧げながらですが感じることが出来たのです。
成り立ちなので、どのように成り立っているのか?と言うことです。
これは、以前も書いたような記憶がありますが、「夕焼け」のイメージです。
当店の焙煎機では「朝焼け」のようなローストはできませんので、「夕焼け」のような感じになります。
その「夕焼け」が、やはり淡く美しい色彩がボクは好ましいと考えています。
なので、どういう「夕焼け」が好きなのか?で、イメージする味づくりはできるようになる。
ボクの場合は、「良質さ」とは「美しさ」だと考えているので、どのような夕焼けが美しいのか?
そこを深く考えて理解すれば、そのようなローストができるようになるということです。
また一つ、ローストのスキルが上がりました。
それは、感じ取れるようになったと言うこと。
この理解が深まると、ライトローストだけでなく、ミディアムやハイローストくらいまでしっかりとフルーツの酸味を表現することが出来るようになる。
浅煎りが苦手な人たちも、フルーツの酸味を纏ったフルーツ感のあるコーヒーが楽しめるようになります。