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フルーツの酸味と糖質のあり方を考える。

公開日:2022年1月19日更新日:2022月01月19日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

フルーツの酸味と糖質のあり方を考える。

当たり前のことだと思うかもしれないが、コーヒーの美味しさは「甘さと酸味のバランス」なのだと思えるようになった。

コーヒーの一般的なローストの考え方では、甘さを出そうとすると、酸味が登場しなくなる。
それが一般的な理論となる。

しかし、人間って欲張りなもので、美味しいフルーツのバランスを知ってしまうと、酸味の中に存在する甘さの存在を知ってしまうと、スペシャルティコーヒーでもそういう甘さを登場させたくなるものなのだと思った。

しかし、ローストの理論からすると酸味を登場させつつも甘さを登場させるという取り組みは、考え方から組み立て直さなければならないくらい難しいことなのです。

そのローストの組み立てを見直すきっかけが、もう何年前になるのだろうか?チョコレートがきっかけでした。
焙煎をする人は、ロースト目線で物事を見てしまうところがあります。
初めてチョコレートで感動したその世界レベルのチョコレートは、ジャン・フィリップ・ダルシーさんのガナッシュでした。
当然ですが、チュコレートもローストしなくてはチョコレートにはなりませんので、とても重要な工程のひとつなのです。

ローストが質感を左右しますし、当然フレーバーも左右します。
そのガナッシュを食べて初めて世界とのレベルの違いを見せつけられました。
その当時のボクが手がけるローストは、まだまだ世界のレベルとは雲泥の差があることを気づかせてくれたものでした。
そして、その当時悩んでいた「焙煎機の改造」に踏み切る決断をしてくれたきっかけだったのです。
その改造が、排気量をUPさせるための排気ファンの大型化と、それを制御するためのインバーターを取り付けることでした。

その改造を施したことで、ダンパ制御とインバーター制御の2つの性質の異なるローストの取り組みを始めることとなったのです。
すぐにインバーター制御の性質を理解できることも難しく、いろいろと考えては試しての繰り返しでした。
ですが、少しずつ理解が深まっていくと同時に、ダンパ装置の理解も不思議と深まりました。

焙煎機の改造を施してからは5〜6年は経っていると思いますが、少しずつ理解が深まり、ようやくフルーツの酸味を登場させつつも甘さを同時に登場させるコントロールの仕組みが理解できてきました。
それは、ダンパ装置とインバーター制御の2つの装置が付いていないことには、その焙煎は難しく、味づくりにおける両者の装置の理解とそのバランスの組み立て方を論理的に考えることができないと難しいことが分かってきました。

今なら言えますが、コーヒー焙煎における技術の改新に必要な要素は、カッピング力(テイスティング力)と論理的に物事を考えることができる脳を育てること。
その2つが必要不可欠なのだと言えます。
どちらか一つでは、新しい味づくりを組み上げることは不可能なのだと思っています。

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