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バランス。
公開日:2021年12月16日更新日:2021月12月16日
カテゴリ:抽出のはなし。, 焙煎の味づくりのこと。
この数週間で、焙煎の設定を秋から冬の仕様に切り替えなくてはならなくなった。
気温が下がったことで、ローストのバランスが変わってきてしまったからです。
通年を通してローストのバランスが変わらない気候なら、これほどまで季節の対応をしなくてもよい訳なのですが、四季がはっきりしている日本では、数週間すればもうローストのバランスが崩れてしまいます。
なので、そのローストのバランスが崩れてしまった味をどこで修正するのか?がプロの仕事であると言っても良いのだと思います。
ボクは焙煎士なので、ローストによってそのバランスを取りたいと考える。
しかし、そこが天文学的に難しいので、バリスタという抽出でバランスを取ろうとする職業が成り立つのです。
なかなか焙煎士の言葉は届きづらく、なんでローストでバランスが取れないんだとお思いの人たちは多いと思いますが、なかなか狙って味づくりをすることが至難の業だからです。
これは、焙煎に携わる人でない限り、この難しさを理解することは無理だとも思っています。
そして、その焙煎でキチンとバランスを取る味づくりをしているショップでは、浸漬式の抽出法を推奨するお店が多いように考えられます。
それは、浸漬式は、レシピさえ守ってもらえれば、あとは「お湯の温度」と「抽出時間」の設定だけを守るだけで、味の再現が可能になることと、素材の良し悪しも、焙煎による味づくりの良し悪しも、すべて見てもらえるからなのです。
香茶屋では、ローストによる味づくりのバランスを見てもらいたいので、「お湯の温度は100°C」で、抽出時間は「4分10秒」というレシピとさせていただいております。
100°Cで抽出すると、すべてが登場してしまいまますが、その温度で召し上がってもらいたいのです。
いろんなことがわかるようになる抽出法でもあります。