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ローストの甘さとフルーツの甘さを論理的に作り出す。
公開日:2021年10月22日更新日:2021月10月22日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
コーヒーの甘さの表現には、ローストの甘さとフルーツの甘さが挙げられる。
ローストの甘さの場合は、フルーツ感を意識しなくても登場させられるが、フルーツの甘さを登場させようとすることはとても難しい。
第一に、素材にフルーツの酸味が無くてはならない。
フルーツの甘さを登場させるためには、まずはフルーツの酸味があること。
そして、そのフルーツの酸味を登場させながら、ローストの甘さをそのフルーツの酸味を遮らないように登場させることで、フルーツの甘さが登場するようになってくるのだと解釈をしています。
ということは、フルーツの酸味を登場させる技術と、程よい加減でローストの甘さを登場させる技術の合わせ技であることが分かります。
ですので、そこはバランスを見極めるカッピングスキルが無ければ、フルーツの甘さを登場させることは難しくなり、かなり難易度が高いロースト技法であることが分かります。
元々コーヒー豆は、コーヒーというフルーツの「種」なので、種由来の穀物系や植物系のフレーバーがメインで登場するものです。
良質なコーヒー豆だけに、生産処理で登場する果肉のフルーツ感や、酸味にフルーツ感が登場するので、それをローストの技術で、どう味づくりをするのか?が焙煎者の腕の見せ所でもあります。
フルーツの甘さを登場させるためには、ローストの甘さも「透明感」を登場させるようにしなければなりません。
ローストの甘さは「マット」な茶色になりやすいので、マットな茶色だと透明感は登場しないわけです。
透明感のある透き通る茶色のローストの甘さを表現することができて初めて、透ける茶色の奥にある酸味のフルーツ感が合わさり、フルーツの甘さへと変化をするわけです。
味づくりの論理としましては、こんな感じ。
あとは、その論理を元にしてローストすれば、フルーツの甘さを表現することができるわけです。
このように、味づくりの設定を組み合わせて考えるローストの技法があります。
それが、ボクが長年かけて辿り着いた味づくりなのです。