読み物。
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お便り。
公開日:2021年10月6日更新日:2021月10月06日
カテゴリ:お便り
昨年までは封筒で送っていた「お便り」がありました。
ですが、新型コロナの影響からそのお便りを送る経費がなかなか捻出ができなくなってしまい、お便りも出せず仕舞いになってしまっておりました。
そこで、月に1〜2回の頻度ですが、この「読み物」のカテゴリに「お便り」のコンテンツを入れて、一方通行ですがお便りを出していきたいと考えました。
お便りは、会員さま限定で発送していたものになりますので、もし香茶屋の考え方に賛同を覚える人でしたら、読んでいて面白いと思いますので、当店の考え方に賛同できる人に読んで頂けましたらと考えています。
<脳での見え方>
昨晩はテレビ番組で、芸能人の格付けチェックという特番をやっておりました。
その中で、視聴者も一緒に楽しめるのは「音」の問題だと思っています。
音の問題は、3問だったかな?
チェロとジャズと和太鼓。
そして、ボクはその番組の楽しみ方としましては、出演者のコメントを聞いて「どこを指しているコメントなのか?」を探ることが楽しいのです。
その出演者は、どこをどう感じているのか?というところです。
チェロの問題で、とある方は
「Aは乾いた音がしているでしょ?」と言っていました。
確かにAとBは、まったく音色が違うチェロでした。
ボクには、Aは音の広がり方が「柔らかで」真ん中にまとまっている感じの広がり方で、Bの音は広がり方が「くっきりとしていて音の輪郭が広がっている外側に位置している」ように見ていました。
ですが、それは音の広がり方の特徴であって「質」ではありません。
では、質はどこを感じれば良いのか?
それはコーヒーと同じところ。
余韻までの推移を見ることで、理解できます。
Aの余韻は、コーヒーで言う「マウスフィール」や「アシディティ」と同じで、それらの余韻までの美しさです。
どこまでも余韻が滑らかで、そして透明感があり、美しい。
しかし、Bの余韻はその音の余韻に滑らかさや透明感が劣ります。
ボクの解釈なのですが、五感で感じる情報はすべて脳でその情報が処理をされます。
見る、聞く、触れる、味わう、香る、そのすべては最終的に「脳」で感じている。
当たり前のことです。
しかし、五感の情報のそれぞれの情報は、音や色(聞く、見る)の情報は周波数の情報で、香りや触れる味わうは物質の情報なのですが、脳でそれらの情報を処理する場合には、脳で処理できる処理方式にすべてが置き換えられるのではないだろうか?と考えています。
五感で感じた情報を、脳で処理する際に、すべての情報を脳で処理するための方式に置き換えているのだとするならば、五感の感じ方はすべて同じように感じることができるのだと。
だとするならば、美しさの共通点を理解していれば、何が「美しいのか」を判断することができるものだとボクは考えているのです。
脳で感じる際に見える情報を分析できるようになることで、いろんなことが理解できるようになる。
それこそが、テイスティングの醍醐味なのだと思うのです。
いろんな角度から感じ取り、どこが素晴らしいのか。
Aのチェロは乾いているようにも受け取れるかもしれませんが、「乾いている」と「柔らかい」は異なります。
コーヒーでも、「ドライな酸味」と「柔らかな酸味」は、まったく評価が異なります。
その違いを理解するためには、偏らずにいろんな角度から感じることができるか否かなのです。
一つの情報だけで判断するのではなく、多様な情報を感じ取ることができるのであれば、総合的に判断をすることができる。
その多様な見方(捉え方)を学ぶことで、好み(どっちが好きか)ではなく、美しさの共通点を学ぶことで、何が素晴らしいのかを判断できるようになるのだと考えているのです。
ですので、香茶屋はスペシャルティコーヒーから学ぶことで、何が素晴らしいのかをその共通点から見出していくということを伝えたいのです。