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ローストによる味づくり。
公開日:2021年10月3日更新日:2021月10月03日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
今日は、天気も良いし暑いので、お店のドアを開けながら営業をしている。
すると10月になったということもあり、どこかで咲いているキンモクセイの花の香りが風にのってお店の中にまで届けられている。
こんな時に、季節の移ろいを感じたりする。
当店で使っている焙煎機のように蓄熱性の低い焙煎機では、明るさが登場しづらい。
なので当然ですが、明るさを登場させる技法やロジックを求める傾向にあります。
そして試行錯誤の結果にようやく明るさを登場させるロジックと技法を掴むと、次は良質さを登場させるために四苦八苦するようになる。
明るさが登場しても、良質さを伴わない明るさでは感動が低いから。
ですが、それが難しい。
そして本来、フルーツの要素を伴うものが無条件に美味しくて、そして良質であると考えていますが、そうだとするなら明るさだけが良質さではなく、美味しさではないことを理解し、フルーツの酸やフルーツの甘さを登場させるような味づくりこそが美味しさであり、良質さであると考えられる。
ローストによる明るさの表現は、透明感を伴い易い傾向にありますが、明るさと透明感はボリューム感(ボディ)と反対に位置している存在であるのだと考えている。
なので、明るさと透明感を登場させようとすると、ボリュームが平坦になり易い。
それに伴うように、粘性も平坦になり易い。
粘性はボリューム感と比例しているように思う。
そして、粘性とボリューム感と比例して甘さも登場する要素であると考えている。
そのため、「明るさと透明感」、そして「粘性とボリュームと甘さ」という相反する現象を登場させるためには、蓄熱性の低い焙煎機にメリットがある。
それは、粘性やボリューム感が登場し易い焙煎機だから。
ただし、蓄熱性の低い焙煎機の場合、その甘さはロースト由来の甘さがメインに登場し易く、フルーツの甘さを登場させることがとても難しい焙煎機でもある。
だからこそ、相反する味わいを登場させるためには、ローストによるバランスを把握していかなければならない。
思い描く味づくりとは、どのような焙煎機を使用するのか?から始まり、その焙煎機の特徴を活かした味づくりとなり、焙煎のロジックの構築と感覚を使うロースト技術で、理想の味づくりへと近づいていけるようになるのだと考えています。