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過去を感じ、今の進歩を理解する。
公開日:2021年9月25日更新日:2021月09月25日
カテゴリ:良質さのお話。
お店の冷凍庫には過去に焙煎したコーヒー豆が眠っている。
それをたまに持ち出して飲んでみると、その当時の味づくりを思い出すことができる。
先日、2年ほど前の年末年始用に仕入れたコーヒー豆を飲んだ。
有名なパナマ・エスメラルダ農園・ゲイシャだった。
しかし、今のローストとは全然違い、茶色はクリーンだけれども、茶色がメインでその背景にうっすらとわかる程度に黄色やオレンジ色の酸味のフレーバーが登場しているローストだった。
現在の味づくりを匂わせる背景のフルーツの酸味も、もうその当時から施されている技術ではあったけれど、茶色がクリーンだけれども透明感に乏しかった。
2年間のうちに、焙煎の理解が深まり、いろんなローストの設定の配置に気づき、そして酸味、明るさ、透明感とマウスフィールや良質な甘さなど、さまざまな良質さの登場のさせ方に気がつき、そういう味づくりができるようになった。
一般消費者はローストでそれほどまでにコーヒーの味づくりが変わることを知りませんが、そこが感じ取れるようになれば、良質さは人が登場させていることがわかってきます。
生産(農業)での良質さも人が導き出していますし、焙煎による味づくりでもその良質さは人が導き出している要素が多大にあります。
もちろん抽出でもその要素があります。
それらを楽しめるようになると、良質さを愛でる楽しみ方ができるようにもなります。
それこそが、スペシャルティコーヒーの楽しみ方であるのだと僕はそう思います。