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まるで生きているかのような金魚の絵を描く技法は、香茶屋の焙煎の技法と同じだった。

公開日:2020年8月5日更新日:2021月04月05日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

まるで生きているかのような金魚の絵を描く技法は、香茶屋の焙煎の技法と同じだった。

先日、テレビを見ているとまるで生きているような金魚の絵を透明な樹脂の上に描く作家さんがいることを知った。
その手法は、透明な樹脂を器などに流し、その樹脂が固まったらその上に金魚の絵を描き、また透明な樹脂を流して、その樹脂が固まったらまたその上に金魚の絵を重ねていき、何層もの層に重ねて描くことで、まるで本物の金魚のような立体感であったり、動き出すかのようなリアル感をも感じさせてくれる作品でした。

それを実際に描いているところをテレビカメラで写してくれていたのですが、ボクが思ったのは「焙煎の技法と同じだ」と言うことでした。

実は、焙煎の技法も「味わいを何層かに重ねて立体的に仕上げている」のです。
その重ねているのは「平面で描いた味わい」を、「幾つかの層」に表現した味わいが、組み合わさることで立体的に、そして時間経過が加わると四次元的な味わいの組み上がりとなるのです。

ここで難しいのは、幾つかの層を重ね合わせた状態で、味わいや風味のバランスを見なければならない点です。
設定1つの場所の味わいや風味だけを見ることが出来れば幾分は簡単なのですが、その1つの設定の、「ひとつの層によって作られている味わいや風味」を、全体の味わいや風味の中から感じ取ることが長年の経験からでしか見抜くことができないので、その感覚を習得することが一番の技術かもしれません。

そのためにも磨く感覚は嗅覚で、その能力は「香りの元をたどってゆく能力」だと言えます。
しかし、それらを見抜いてゆくための「見る方法」が実はあります。
その積み重ねで、感覚と味づくりの方法が確立されてゆくのです。

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