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香茶屋のテイスティング基礎講座の本当の意味。
公開日:2020年5月24日更新日:2021月09月23日
カテゴリ:テイスティング, 講座。
静岡県の緊急事態宣言が解除され、日常の生活が緩和されてきました。
気が緩みすぎてしまうとまた宣言が出てしまうので、「ほどほど」が好ましいとは考えていますが、お店を運営している身としましては、なんとか「経済も回しつつ」、コロナとの距離を保ちながら生活をして行ってもらえたらと考えております。
そして規制が緩和されたことで、6月からまたビオあつみさんで行っていた「テイスティングの基礎講座」を再開する運びで準備をしております。
まだ1ヶ月も先の話ですので、また中止になる可能性もありますが、この自宅に居ることの多い生活の中で、より食べることに興味がある消費者の方々に、当店の考えている「テイスティングの基礎」を学んでいただければと考えております。
テイスティングは表現力だと考えている消費者も多いことだと思いますが、口の中で広がるフレーバーに「どのような香りや味わいの情報があるのか?」が見えるようになると、フレーバーから感じる「風味の意味」が理解できるようになってきます。
すると、「なぜ良質なのか。」や、それは「作り手の考え方の素晴らしさ」などが見えるようになり、より日常の生活の中での「食が楽しみ」になるのではと考えています。
現にボクもこのテイスティングの能力が向上したことで、クオリティの高いものは「よりうっとり」とその美味しさを楽しめ、クオリティの低いものは「何が原因なのか?」が、香りの元をたどる能力が育つことで、いろんなことが理解ができ、食の見方に変化が登場してきています。
そんな「テイスティングの基礎」は、「香りのインプット」となります。
コーヒーの場合だと、コーヒーのフレーバーホイールで登場している具体的な香りを脳に記憶すれば、コーヒーを飲んだ際に「どのようなフレーバーが、そのコーヒーで感じるのかが瞬時に分かるようになります。」
コーヒー以外でも、ワインならばワインのフレーバーホイールで登場している香りをインプットすれば対応できますし、なんなら世の中の全ての香りをインプットしたなら、すべての食材のフレーバーに対応できるようになります。
そのために、必要なトレーニングが「脳内に香りを記憶する」という「香りのインプット」です。
ですが、ボクたちプロが見ているフレーバーの景色は、一般消費者が見ている景色と少し異なります。
その「香りをインプットする際」でも、ボクたちが見ているフレーバーの「香りの景色」を細分化しながらインプットする方法を提案しています。
香りの情報を丸暗記する方法ではなく、香りの持つ情報を細分化してインプットする方法です。
その方法の方が合理的で、移りゆくフレーバーの情報に対応ができることと、もう一点「カテゴリ別にインプットする」ためにフレーバーの情報を細分化するのです。
するとテイスティングが表現力に留まらず、その上のステージの見え方ができるようになります。
それは、フレーバーの情報から「意味を感じ取る」ことができるようになるからです。
簡単に説明すると、牛乳を飲んでエサの違いを感じ取ることができるようになります。
その牛乳の牛が食べていたエサの香りが牛乳から感じられるため、そのエサが放牧をして草を主食として食べていた牛の牛乳なのか、それとも牛舎で栄養満点の穀物を多く配合されていたエサを主食として食べていた牛の牛乳なのかを、フレーバーの情報から感じ取れることが「意味を感じ取る能力」であると考えています。
それは、香りのインプットの際に「カテゴリ」で分類しながら香りをインプットしているからこそ理解ができる脳の処理となるのです。
今、このステイホームがしばらく続く時間を利用して、日常生活の中での楽しみ方の幅を広げるために、フレーバーの情報を読み取る能力を育てるための「香りのインプットの仕方」を学ぶ講座なのです。
それをご自宅に持ち帰り、日常生活の上で楽しみながら、香りのインプットを続けていくことで、いろいろと気づきや、見えてくる世界があるのです。
そして、数年後に気づくことでしょう。
人生が豊に感じることに。