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Fuji-Royal 5kgを改造して使用する理由。
公開日:2021年9月23日更新日:2021月09月23日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
当店で使用している焙煎機はFuji-Royal 5kg釜(改)です。
スペシャルティコーヒーを焙煎しようとした場合に、ノーマルのFujiでは、排気能力が低いことからスペシャルティコーヒーをより明るくそして透明感のあるコーヒーを表現するために必要だと考え香茶屋では焙煎機の改造を施しています。
改造箇所は、大型排気単独ファンに変更し、インバーター制御装置を取り付けてあります。
蓄熱性が豊な焙煎機ではないので、二重ドラムに変更し、バーナーの本数を上げています。
改造している理由は、外国製の焙煎機と比べるとFujiは蓄熱性が豊かではないこと、そして排気能力が低いことから、スペシャルティコーヒーの良さを引き出すためには、ある程度の短時間焙煎(小型の焙煎機としては短時間という意味)をする必要性があることから、スペシャルティコーヒー対応の焙煎を施すために改造をしています。
(*一般のコーヒーの場合はある程度の時間をかけて焙煎をしますので、改造を施さななくても大丈夫なのです。)
これらの改造も、コーヒーの焙煎の考え方とリンクをしていますので、焙煎のロジックを理解できていることで、改造する意味も理解ができます。
ではなぜ?Fujiを使い続けているのか?
それは、取り扱いは難しいのですが、設定の幅が広い焙煎機のため、思い描く味づくりを施せる可能性が広がるためです。
最新型の焙煎機になればなるほど焙煎機としての完成度が上がっていて、構造がキチンと考えられていて「扱い易い」焙煎機に仕上がる一方で、焙煎機の取り扱いの幅が狭くなり、安定したコーヒーに仕上がる一方で、味づくりのオリジナリティを登場させづらさがあるのだと考えています。
それを考えた場合に、当店で取り扱うFujiの焙煎機は、取り扱いはシビアで難しいのですが、扱う人によってまったく異なる表情を登場させるのです。
そしてもう一つ、フレーバーが長く留まる傾向にあります。
これは、焙煎してから時間が経っても、コーヒーを液体にしたときにフレーバーが長く留まる傾向にあるということです。
ですが、焙煎の設定はシビアになり、難しくなるので、逃げずに良質さを追求するためには、経験と論理をキチンと構築しなければFujiで思い描くようなスペシャルティコーヒーをローストすることが難しい焙煎機なのです。