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音楽の曲の響きの成り立ちと焙煎は似ている。
公開日:2020年8月20日更新日:2021月09月11日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
向き不向きというのか、日本画を見ていて「ボクは絵は無理だなぁ」と思った。
それは、緻密な描写を何日も、何ヶ月もかけて1つのことに取り組み続けることは、ボクの性格上ムリだよなぁと思ったのです。
その点、コーヒーの焙煎の作業時間は、7~8分ですべてが終わります。
その7~8分の工程の設定ために、日頃から考えたり、想像する作業はボクには向いていて、フレーバーという情景に理想を思い描こうとしても、素材のポテンシャルを考えなしにしてはそれもできません。
ボクたち、コーヒー焙煎をする人たちは、真っ白なキャンバスに向かうのではなく、素材のポテンシャルに向き合うことから始まります。
在るものからしか引き出すことは出来ないし、引き出すためには、実は己という欲が邪魔になることを学びます。
実はいかに「引き出す」ことの難しいことか。
それを、やればやるほど身に染みてきます。
だからこそ、面白くも在る。
7~8分の焙煎の設定を、そのひとつひとつの設定が音楽の響きのようなバランスのように入り組んで、焙煎人それぞれの味わいとなって情景を彩ります。
なので、7~8分の焙煎の作業時間の短さよりも、焙煎の設定に思いを巡らす無限の時間が楽しいんだと気づきました。
そういうことだったんだと。