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「感じる」ために。がボクは大切なんだと考える。

公開日:2020年8月28日更新日:2021月09月11日
カテゴリ:感覚のはなし

昨日の「ほぼ日刊イトイ新聞」に載っていたのですが、今までなら「ほぼ日手帳」のユーザーが集まって全国あちこちで「手帳ミーティング」というイベントをやっていたという話から、そこでは初対面の人どうしが「ほぼ日手帳」の自分なりの使い方とかの話から、いろんな方向に話が展開していくのが面白いということを話されていました。

その中の一人の、とある小学校の青年先生と、彼の手帳を前にしてイトイさんが話されたそうです。
そして、その彼が自分で手帳に記した図を見せてくれたそうです。

 1.感じる → 2.思う → 3.考える

と図には記されていたそうで、イトイさんはその考え方がすごく腑に落ちて、その後もずっとそれを応用しながら生きてきた気がすると話されていました。

この図は、「感じる」ことで、いろいろと「思う」ことが起こり、そしていろいろと「考える」ようになる。だから「感じる」ことが大切で、「感じる」ことが出発点でもある。という考え方なのだと思います。

ボクも、今までの経験で「感じる」ことこそが大切なのだと思っています。
ですが、そこに落とし穴があることにも気づいています。
それは、イトイさんや、その青年先生のように「感じることが出来る人」は、もともとある程度「感受性」が豊で、いろんなことを「感じる能力が備わっていて」感じることが元々できる人だということです。

それに対して「感じとれない人」は居て、その人たちは「どうしたら、感じ取とれるようになるのか?」を知りたがっているのです。

ボクも「感じる」ことはとても大切なことであると実感しています。
「感じる」ことで、いろんな発見や、論理的な考え方ができるようになるからです。
しかし、同じ経験をしたとしても「感じとれない」という人がいることも事実。

では「感じとれない人」は、どうしたら「感じる」ことができるようになるのか?
これが、「1.感じる」の前にロジックとしては入らないといけない項目です。
なので、「0.感じるための取り組み。」があり、「1.感じる」と繋がる。

そして、ボクの経験からすると、そこに必要な「取り組み」は「嗅覚の育成」となります。
「なんで?嗅覚?」と思われる方もいることでしょう。
もちろん感受性を高める取り組み方には、いろいろとあることだとは思います。

ですが、五感の中でも「嗅覚」は人の体の構造上、唯一ダイレクトに脳と繋がっている唯一の感覚です。
なので昔から感覚が優れている人のことを「あいつは、鼻が利く。」とか呼んだりしています。
嗅覚は、「五感のなかで唯一、情動や本能に直接訴えかける感覚。」とも言われる所以です。

嗅覚が成長すると、他の五感も相乗的に感覚が向上してくることを実感してきます。
不思議ですが、嗅覚が育つことで、他の感覚も相乗的に感覚が向上するのです。
これは、ワインソムリエの田崎さんの著書の中にも書かれていることで、著者の経験からそう書かれています。

そして、感覚が少しずつ敏感になってくることで、いろいろと「感じる」ことが出来るようになってくる。これはボクの経験から語らせてもらっています。

ただし、嗅覚の育成には時間がかかります。数年ではなく、5年、10年という単位で時間がかかります。
やることは、たった1つ。
香りの情報を細分化して見れるようになること。
そのために、常に香りを意識して生活をする。
生活の中に、香りを意識する要素を取り入れることで、香りの情報を細分化し、脳の認識が変わっていくのだと解釈をしています。

ただ、この取り組みをする人たちは、ほとんどの人たちは嗅覚がそれほど育ってはいないので、香りの情報がキチンと見えてない人たちがほとんどです。
香りの情報を細分化するためには、香りの持っている情報量を理解しておく必要性があります。
それが、香りの「重さ」や「粘性」、「色」の情報です。

香りの情報を細分化する際に、香りの持っている「重さ」「粘性」「色」を、それぞれ分析してある法則にしたがって脳内に整理整頓しながらインプットをしていくことが求められます。

それを日常的にしていくことで、感覚は不思議ですが育っていきます。
それを、より有効的にトレーニングする方法が、当店で行っているテイスティングの基礎講座です。
独りでは、なかなか理解できないことも、複数の人たちと行うことで、より多くの学びがあるためです。

そして、結果的に複数の目的が同じ人たちと、この取り組みをすることで、見えてくる世界があります。
人それぞれ異なるところを見ているんだ。という世界観なのです。
なので、人と異なる場所が美味しかったりしても、何も不思議ではないのです。
しかし、他人が「ここが美味しい。」という場所も、「なぜだろう?」と意識を向けることが大切です。
すると、その人の感覚で、目線で、異なる味わいに気づけるからです。
そういった積み重ねで、人の感覚に触れることができるようになり、そして「感じる」ことができるように徐々になっていくのだと考えているのです。

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