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ドリップ式から、「浸け置き式」へ。
公開日:2020年9月12日更新日:2021月09月09日
カテゴリ:抽出のはなし。
当店の喫茶で採用していたのは「ドリップ式」の抽出方法だったのですが、ドリップ式の一番の難関は「フィルターのメッシュサイズ(目の粗さ)」だと当店では考えています。
そして、「ご家庭でお店と同じ味わいを」と言う観点から考えた場合に、もう現在当店で使用している「ゴールドフィルター(swissgold)」は生産が終了していることもあり入手できません。
そこで、当店でもゴールドフィルターの在庫が無くなり、次のフィルターをいろいろと考えているのですが、「ご家庭でお店と同じ味わいを」と言う観点から考えると、別にドリップ式にこだわる必要が無いのです。
最終的に、カップの中のコーヒーの液体が、お店でも、ご家庭でも、簡単でそれでいてきちんとした味わいに抽出できる「抽出の方法」を提案するべきだと考えました。
そして、考えたのは「浸漬方」の「浸け置き式」です。
「浸け置き式」は、その名のとおりで、熱湯に「浸けて」4分間「置いておく」だけの抽出方法というとてもシンプルな方式です。
そのシンプルさ故の難しさがあり、素材のポテンシャルと焙煎のバランスが全部さらけ出してしまいます。
なので、「浸漬方」はきちんとした良質なコーヒー豆と良質な味づくりが出来ていないと、全部洗いざらいフレーバーとなって登場してしまいます。
なので、あまり普及していかないのです。
ですが、今の香茶屋の「仕入れ」と「焙煎」ならば、なんら問題がありません。
そして、最終的に「浸け置き式」は、「フィルターで濾す」ことで、コーヒー飲料として飲めるようになります。
その濾すフィルターが、当店でオリジナルで開発をした「不織布フィルター」です。
この「不織布フィルター」だと、金属フィルターなどと違い、微分の量がとても少なくなるメッシュを採用しているため、「フィルターで濾す」ことで細かな微分が液体の中に舞い続けることがありません。
コーヒーのテイスティングで採用される「テイスティング・グラス」で、浸け込んだコーヒーがすごく美味しくても、「フィルターで濾す」ことで微分が液体の中で舞うことで「重たく」感じたり、明るさやクリーンさに欠けてしまうのは、抽出で一旦沈めた微分を、飲むために「フィルターで濾す」ことで、また液体の中で舞わせてしまうからじゃないのか?と考えたのです。
しかし、微分を完全に取り除いてしまうペーパーフィルターでは、良質な成分まで取り除かれてしまうので、それは使いたくはない。
すると、どのようなフィルターが向いているのか?が分かってきます。
現在、当店の喫茶コーナーやテイクアウト・コーヒーでは、その「浸け置き式」ですでにサービスを開始しております。
注意点は、何点かありますが、ドリップ式と比べればとても簡単な抽出方法です。
「浸漬方」で抽出をすると、いろんなことが見えてきますので、香茶屋は「浸け置き式」を採用します。
見せたくないところも、全て抽出されちゃうんですよ。
だからこそ、きちんと取り組んでいないといけないのです。