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取り組んできたことの積み重ねが、味となっている。
公開日:2025年4月20日更新日:2025月04月20日
カテゴリ:感覚のはなし

これまでボクがコーヒー焙煎と向き合ってきた30年近くの積み重ねが、全て味となっている。
もちろんこれは単純な時間の積み重ねという意味ではなくて、どのようなことに意識を向けて取り組んできたものであるのかが重要である。
とくに、ここ数年ではあるのですが、仕入れ基準がより明確になってきたことからの香茶屋の仕入れ基準が味づくりに及ぼす影響が大きいことだと思っている。
言葉にすると「クリーンカップ」と呼ばれる評価項目になるのですが、その「クリーンカップ」の意味が重要になる。
これは感覚により判断される要素であるため、香茶屋基準のクリーンカップの6.5ポイントと他店のクリーンカップの6.5ポイントは、評価基準の目線が異なるものである。
その目線の重要さに気づいたことで、香茶屋基準の目線では、ローストに耐えられる豆という、いわゆるローストに負けないという目線の「クリーンカップ」を重要視している。
そのような仕入れが出来ることで、「コーヒー豆はローストに活かされ、そしてローストはコーヒー豆に活かされる」という相互関係的な味づくりが可能となるためである。
これは総合点で、たとえ高得点を得ていたとしても、香茶屋基準のクリーンカップ6.5ポイントが無ければ、Topスペシャルティ・ランクの仕入れは行わない。という意味である。
これは、生まれつきその目線で香りの情報を認識できる人でない限り、それを認識できるようになるためにはかなりの時間を要するものである。
この目線は、Qグレーダーを持っていたら理解できるというものでもない。
なので、その理解にはとても時間を要するものである。
その仕入れとローストは結びついている。
それが、コーヒーの味づくりの意味である。