読み物。
Blog
整える。
公開日:2025年3月20日更新日:2025月03月20日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

コーヒーの味を整えるために、ローストがある。
一般消費者的には、味を整えるのは抽出だろうと思っているかもしれないが、コーヒーの味を整える工程はローストである。
これは、焙煎士目線の見解である。
しかし、ローストで狙って味を整えることは、予想以上に難しい。
だから抽出でも整えようという考え方になり、そこでバリスタという仕事が必要となっている。
そして、ローストで味を整えるために、これまでにいろんな取り組みをしてきた。
常々、ローストは熱量の与え方であるとボクは語っている。
季節の移り変わりで、気温が変化していくため、コーヒー豆に与える熱量を変化させ、季節の移り変わりに合わせたローストの熱量を与える取り組みがローストである。
しかし、熱量の与え方で味は変わっているので、総熱量を合わせれば同じ味になる訳ではなく、登場させたい味のバランスを求め熱量の与え方を変化させなくてはならない点が難しい。
ゆえに、焙煎の理論だけでは味を整えることはままならなく、感覚を必要とする。
頭で考えたことと、実際の味を感覚で調整することの2つの視点が重要であると思っている。
そして、コーヒーのローストを仕事として30年が経とうとするタイミングで、ようやくローストで味の整え方という調整の仕方が見えてきた。
これは、感覚抜きではたどり着けない領域であり、自身の感覚を育ててきて良かったとしみじみとそう思った。