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ローストの設定が持つ状態の本質を理解することは尊いものである。

公開日:2024年8月31日更新日:2024月08月31日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。

ローストの設定が持つ状態の本質を理解することは尊いものである。

コーヒー焙煎の難しさは、季節の移り変わりにおける大気の熱量の変化だと思っている。

季節の移り変わりは、勝手に大気の熱量が変化をしていくため、焙煎の設定は勝手に変化してしまう。
そのため、思い描く味づくりのためにロースト(焙煎)技術が必要となり、移りゆく変化に対応するために考察し、理論を考え、そしてそれを取り組み検証し、その理論が正しいか否かを判断することで、設定の組み合わせから自身の思い描く味づくりのために、日々ローストの設定を整える作業を行わなければならない。
それが、コーヒーのローストという作業である。

そしてここ数日、台風が日本に上陸し、真夏と思える猛暑から、急激に秋めいてきた。
このような気温の変化は、大気の熱量の変化を伴うため、ローストでの設定を大きく変更しなければならない転換点となりうる。
要は、夏から冬に向けてのローストとなる。

ローストの設定は、とてもシンプルなローストの場合でも、その設定の数は5つほどにはなることだろう。
しかし、その設定数では思い描いたようにコントロール出来ない場合には、設定の数を増やすことで、思い描いた味づくりを施せるようにしていくことになる。

しかしながら、その設定1つごとが、いろんな意味を含んでいるため、コーヒーローストにおいて思い描く味づくりをすることの難しさには、設定の数だけ、その設定が持つ状態の本質を理解していかなければならないため、かなりの時間を必要とするものでもある。

そして、ローストの味づくりは「感覚」で調整をしなければならないため、ローストと「感覚」は、深く繋がっている。
感覚の育成なしでは、ローストの味づくりは成し遂げられない問題でもあるのだ。

だから面白い仕事だとも言える。
かなりの経験値を必要とし、それは1年を1シーズンと考え、何シーズンを繰り返し経験することで得られる情報でもあるからだ。

ボクは今年で、29シーズン目になるが、これまでの経験値がようやく設定の理解を深めてくれるようになってきたことを実感している。

ローストの設定のひとつひとつは、とても大きな設定の意味を持っているが、その重大さを理解できるようになるまでに、29年もかかってしまったということなのだ。
単純そうに見えるものほど、その意味の本質は奥が深い。

その設定が意味する美味しさは、これも奥深いものである。

 

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