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量感と質感。
公開日:2024年8月28日更新日:2024月08月28日
カテゴリ:感覚のはなし
今日、常連さんがニホンミツバチを趣味で自宅で養蜂していて、今年初めてそのニホンミツバチの蜂蜜を採取したので、「食べてみてください!」と言って持ってきてくれた。
スプーンでちょっとだけ舐めてみると、ボディのボリュームは豊かではないが、フレーバーに段差が見られなく、余韻がどこまでいっても細く長くそして、口の中では酸の余韻がずうっと続いていた。
多くの一般人は「量感」というボリュームを見がちであるが、良いという部分を探すためには「質感」を鍛えなければならない。
「フレーバーに段差がない」と書いたが、異なるフレーバーに段差が見られたり、異なるフレーバーが反転したりするものは、良い印象がない。
異なるフレーバーに一体感があり、余韻がどこまでも細い一つの線で続いてゆくものは、残り香としての酸の美しさが伺えるものである。
うちの妻が良く言っているように、「余韻は質が表れ易い」という言葉の意味は、どれか一つの余韻を辿ることではなく、余韻の全貌を感じられることで、そこに「質」が潜んでいることが感じられるはずであるのだ。
そのための意識としては、量感だけでなく、質感も感じられるようにならなくてはならない。
それが、「表裏一体の美味しさ」として繋がっているからなのだ。
偏らずに、全体を感じる。
それは、意外と難しいことなのだ。