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現在の焙煎の技法は、3つの要素の構造。
公開日:2020年12月18日更新日:2021月09月03日
カテゴリ:焙煎の味づくりのこと。
今年の10月に「たぶん、このタイミングでしか行けないだろうな。」と思い、お気に入りのレストランにGotoキャンペーンを使って行ってきた。
そして、やはりそのタイミングで行けてよかった。
その「行けてよかった」の内のひとつに、「厚みの出し方」があった。
簡単な話し、料理で「厚み」を出したい場合は、異なる食材や調味料などを添加すればいい。
とても良い素材があった場合は、その素材を活かしたいと考えるだろうから、異なる食材を添加することはボクはどうなんだろうと思うのですが、その場合は調味料を添加することで「厚み」が登場する。
でも、調味料は厚みを付けるかもしれないが、異なるフレーバーも加わるので、その素材そのものを活かすことにはならない。
ボクが、そのレストランで食したニンジンは、添加されていたのはたぶん塩だけ。
そして、厚みは「調理法」を組み合わせることで登場させていたのです。
今のボクには、フレーバーの香りの元を辿る能力があるので、そのニンジンの香りを辿ると、異なる調理法があることまでは理解できますが、その先の「どのような調理をしているのか?」までは理解できなかったので、素直にシェフに聞きました。
すると、こうこうこうですよ。と、その調理の仕方を説明してくれたのです。
なぜ、そんなことを思い返していたのかというと、今朝焙煎したコーヒーで、1箇所失敗をしてしまった焙煎がありました。
それをカッピングすると、「ここまでは、いいんだけど、ここが伸びて行かないんだよなぁ。」と、その失敗してしまった設定の本来あるはずの情景が登場していないことを感じて、焙煎の設定とは「異なる調理法なんだ」と思ったからです。
なぜ、その設定が必要かと言えば、味わいに影響を与えているからです。
そして、焙煎の設定は「大きく言えば」3箇所の設定が重要で、その3つの設定で立体的な味づくりをしているのだと考えています。
これが、コーヒー焙煎の骨格なのだと思います。
その3つが、それぞれ「調理法が異なる」ので、味わいの登場の仕方が違う訳です。
コーヒー焙煎は、調味料を添加してバランスや厚みを登場させているわけではありません。
焙煎機での設定の動かし方だけで、バランスや厚みを登場させているので、そういう「調理法が異なる」とか言う発想が生まれるんだと思うのです。
これだけ聞くと、「なんだ、3箇所だけなんだ。」とお思いでしょうが、設定のタイミングと動かすボリュームまで入れると、無限大に設定はあります。
なので、雲をつかむようなことなのです。