「感じる」という世界観。
香茶屋では「感じる」ことの大切さを
伝えていきたいと取り組んでいます。
ボク自身が、コーヒー・テイスティングの恩恵から
「感じる」能力が成長してきたことで、コーヒーや料理、
絵画や音楽など、様々なモノから伝わる
「作り手の思い」を感じることができるようになってきたことで、
「感覚」の成長がもたらしてくれる幸福感の存在を
当店のコーヒーを好んで利用してくださる方々にも
伝えたていきたいと思うようになりました。
フレーバーのバランスを捉える能力が向上してくると
余白から見たバランスなども理解ができるようになります。
余白は実態の外に位置している存在です。
実態だけを見ていると、余白は見えてこなかったりする。
だから余白の存在に気づけなかったりする訳です。
ですが、余白から実態を見ることができる人は、
両者を見ることができる。
要は俯瞰して見ることにも繋がるということです。
一応コーヒーのフレーバーの話なのですが、
こういう見え方ができるようになれば、書道の余白から
書体の美しさを感じることができるようになるという
ロジックでもあります。
いわゆる「余白の美しさ」です。
ですので「感じる」という感覚が成長することで、
いろんなモノから伝わる思いを感じ、受け取ることが
できるようになります。
美味しさの背景に存在している「人の思い」も
感じることができるようになると、それが幸せへと
繋がっている道でもあることに気づくようにもなります。
そして、「感じる」ことで、自分の中の何かと結びついて、
新たな意識や感覚が生まれはじめることにも気づくことでしょう。
ボクの経験から述べさせていただくと、
コーヒー・テイスティングを学んでいく過程の、
「香りを効率よく記憶する」ための取り組みをしていく過程で、
感覚が育成され、より「感じる」ことができるようになって
きたのだと分析をしています。
ですので、「感じる」ための学びとは、
テイスティングの基礎である、香りを脳に記憶する
「香りのインプット」なのですが、その「香りを効率よく
記憶する」ために香りを細分化していくことを理解する
過程で脳の処理方法が切り替わっていくからではないのか?
と分析をしています。
ボクはただ、良質なコーヒーをより理解したくて、
そしてそれが良質なコーヒーを作り上げることに繋がることだと
思って取り組んできただけなのですが、今ではその副産物である
「感じる」ことで世界がより広く大きく感じ、モノから伝わる
人の思いまでも感じとれるようになってきたことがボクの
財産なのだと考えるようにもなりました。
感覚の世界観にはそういう、モノから伝わる
「感じる」というとても素敵な世界観があるのです。
ボクはスペシャルティコーヒーの良質な美味しさを伝えること
を通じて、「感じる」ことの大切さを伝えていきたいのです。
そこには、「良質さ」というたくさんの人の思いが込められた
美味しさがあるからです。
良質さから伝わる人の思いという情報を
「感じて」もらいたい。
ですので香茶屋では「学ぶ。」
という講座のサイトを立ち上げました。
遠方の方でもオンラインで学ぶことができる
サイト運営となっています。
そして、その「学ぶ。」はモノづくりのすべての人へ向けた
取り組みでもあります。
良質さを理解することで、良質なモノを作り出すことができる
ようにもなるからです。
逆に考えると、良質さを理解しないで良質なモノを作り出すこと
は不可能なのだという分析もできます。
まずは、フレーバーの景色が見えるようになること。
まずは、そこから。